平成31年2月定例県議会【1. 地域子育て支援拠点施設の在り方】

「働き方改革と子育て支援」

安倍政権が、「一億総活躍社会の実現に向けて」と銘打って強力に推進している働き方改革は、我が国が直面している少子高齢化の進行を見据えて、国の産業を支える労働力の確保を、労働慣行や雇用形態を見直すことを通して図っていこうとする施策であるということが出来ます。

長時間労働の是正、同一労働・同一賃金の実現といった働き方改革が目指す方向に、女性が活躍しやすい環境整備、子育て・介護等と仕事の両立、高齢者の就業促進、障害者の就労支援などが、実行計画として位置付けられていることからもそのことがうかがえます。

そうした時代の趨勢を踏まえ、今回は、「働き方改革と子育て支援」ということで、3点質問いたします。

1. 地域子育て支援拠点施設の在り方

その1は、地域子育て支援拠点施設の在り方についてであります。子育て支援施設は、保育サービスそれ自体を提供する保育園などの施設と、家庭で子育てをしているお母さんたちに、気軽に集える交流の場を提供することで、子育て中のお母さんたちの孤立化回避や悩みの解消を図っていく地域子育て支援拠点施設の二通りがあります。厚労省の資料によれば、3歳未満児においては、母親の7割から8割が家庭で子育てしていると見られており、核家族が増加し、地域のつながりが希薄化している今日、子育て支援拠点施設は、保育施設と並んで子育て支援の重要な役割を担っています。

この地域子育て支援拠点施設は、保育園等の保育施設に併設されるセンター型と空き店舗や空き家等を利用して開設されたひろば型の二通りが主でして、現在は、これら二通りの拠点施設は、機能面においては共通しているということで一般型に再編分類され、全県で150か所あります。これは、平成27年度に策定された「やまぐち子ども・子育て応援プラン」が、計画期間である平成31年度までに実現するとした目標数値でして、これが既に達成され、更に、この拠点施設が、本県が、平成30年度から推進している「やまぐち版ネウボラ(ネウボラとはフィンランド語で『アドバイスの場所』を意味し、妊娠期から出産、子育てをサポートする仕組み・拠点のこと)」における「まちかどネウボラ」の拠点となり、その実施体制構築の速やかな進捗を可能にする下地になっていることを評価するものであります。

私は先日、山口市内にありまして、その「まちかどネウボラ」としても認定されている子育て支援の拠点施設を訪ねました。そして、そこのスタッフの方から課題と感じていることについて率直な思いを伺いましたところ、次のような趣旨のことを語られました。

これまでは、ここに来られる母親の悩みの多くは、子育てに関することであったが、最近は、子育てしながら働けるだろうか、再就職できるだろうかという子育てと就労の悩みを同時に抱えるお母さん方がふえてきている。働き方改革の進行に伴い、その傾向は、益々強まっていくように思う。

ついては、地域子育て支援拠点の事業として、子育て中のお母さん方に、就労に関して基礎的な情報や知識についての講座を開いたりする等ことが出来るようになるといいと思っている。

以上のような内容のことを、そのスタッフの方は述べられたのですが、私は、働き方改革が進行する中における、地域子育て支援拠点事業の新たな課題を、正しく的確に指摘しておられると思う次第です。

そこでお尋ねです。本県は、子育ての悩みに応える面での地域子育て支援拠点事業は、まちかどネウボラの実行体制の構築も順調に進んでおり手厚いものがあると評価しますが、働き方改革が進行する中、更に、子育て中の母親の就労に関するニーズや悩みにも応えることが出来る地域子育て支援拠点事業への進化を図っていくべきだと考えますし、就労版ネウボラというものが構想されてもいいと思う次第です。ついては、こうしたことにつきどうお考えなのか、ご所見をお伺いいたします。