平成31年2月定例県議会【3. パーキングパーミット】

「働き方改革と子育て支援」

3.  パーキングパーミット

パーキングパーミットについての質問は、働いている、いないにかかわらず妊娠された女性一般に係ることですが、その制度が、望ましい仕組みになっていくことは、当然に、妊娠しても可能な限り働こうとしておられる女性への支援にもつながっていくことであると考えて行うものです。

パーキングパーミット制度は、平成18年に佐賀県で導入されて以降、多くの府県において導入されていまして、山口県は、全国の都道府県の中では15番目になりますが、平成22年8月に導入しています。

この制度は、公共施設や店舗などに設置されている身障者用駐車場を適正に利用いただくため、障害のある方や高齢の方などで歩行や乗降が困難な方に、県が、県内共通の利用証を交付して、必要な駐車スペースを確保できるようにするものでして、その利用証が交付される対象に、妊産婦さんも含まれています。ただ、妊産婦さんの場合、問題なのは妊娠7か月以降とされていることです。

男性である私には、勿論「つわり」の経験などありませんが、妊娠期の女性にとって「つわり」は、精神的にも肉体的にも辛いもののようで、それを乗り越えていく上において、周りの人たちのサポートや配慮が、大きな支えになり必要と思われます。

ところが、妊産婦さんが、そうした「つわり」に苦しんでいてサポートを必要としている時期には、パーキングパーミット制度の恩恵を受けることはできません。理由は、「つわり」のピークは、妊娠3か月頃で、安定期と言われている、妊娠6か月頃までに、概ねおさまると見られているのに、妊産婦さんがこの制度の利用証の交付対象になるのは、妊娠7か月以降とされているからです。しかも、交付申請の手続きをしなければ、利用証の交付はありません。

このことに関して、産婦人科の医師はどうお考えなのか見解を伺ったところ、次のような回答がありましたので、ご参考までに紹介いたします。

つわりは、個人差があり、平均的には妊娠12週前後で収束すると言われますが、人によっては妊娠後半期にまで症状がある方もおられます。

また、つわりは、重症度によっては、極度の脱水、神経症状、血圧低下、見当識障害、逆流性食道炎、等々を引き起こします。およそ買い物をして遠くに停めた車まで荷物を運ぶのは、しんどいと想像できます。

更に、昨今の不妊事情においては、妊婦の高齢化があり、やっとの思いで授かった胎児、しかし母胎の年齢、体力は確実に高齢化しており妊娠継続そのものが妊娠初期から若い方に比して非常に辛い場面も多々あります。ダイナミックに身体が変化します、つわりだけではなく、全身の倦怠感もかなりなものがあります。

また、妊娠初期は流産の危険性もあり、これまた不妊治療後の妊娠においては出血や腹痛の出現率が高頻度です。妊婦の不安もマックスです。

妊娠そのものが、「病気ではない」の押しつけが、この時代の妊婦さんに対して非情と思います。病気ではないから妊娠する前と同じく働け、動け、責任を果たせ、生活をしろ、つわりは当たり前、気の持ちよう、少々辛くてもよく動いた方が安産、全て妊婦さんを苦しめています。

確かに、妊娠週数が進み、7か月過ぎてきますと物理的に腹部の重量が増し、骨盤への負担もあり、移動自体がおっくうになります。それまでは、物理的な負担はまだ軽いかもしれません。ですが、妊娠と気づくのはおおむね妊娠3か月で、産前休に入るまでが、車を必要とする時期ならば、その間の妊娠4~6か月を無視するのではなく、妊娠7か月から発行とするのではなく、一律交付、必要ならば使ってくれ、のほうが、「声なきがんばりやさん」を救う手段と思います。
以上のような見解も踏まえ、お尋ねいたします。私は、本県が、女性の妊娠・出産・子育てへのサポートにおいて日本一環境が整った県になることを期待するものです。ついては、パーキングパーミット制度の利用証の妊産婦さんへの交付は、妊娠7か月以降とされている制限をなくし、妊娠された方へ母子健康手帳が交付されるときに、同時に交付するようにすべきだと考えますが、このことにつきご所見を、お伺いいたします。