令和3年9月定例県議会【5.光ファイバー網の整備について】

デジタル改革の推進について

5.光ファイバー網の整備について

「やまぐちデジタル改革基本方針」は、その将来像を「3つの維新」に沿って産業維新、大交流維新、生活維新ごとに掲げていますが、その「3つの維新」に共通することとして、「離島や過疎地域を含めた県内全域に、誰もが利用できる高度なブロードバンド環境が整っている。」との将来像を示しています。

また、この基本方針は、改革の基本姿勢5項目のひとつに、「デジタルデバイド(情報格差)の排除」を取り上げ、「情報通信基盤の整備状況等に起因する『地域間のデジタルデバイド』や、デジタルリテラシーの違い、あるいは、デジタルサービス自体のアクセシビリティの問題等による『個人間・集団間のデジタルデバイド』を徹底して排除し、誰一人取り残さないデジタル社会を目指す。」と説明しています。

こうした離島や過疎地域を含め県内全域において、誰一人、そしてどの地域も取り残すことなく高度なブロードバンドを利用できる環境を整え、情報格差のないデジタル社会を実現していくとの方向は妥当なものですが、そのためには、その基盤となる情報通信インフラとして光ファイバー網を、整備していく必要があります。

令和2年版情報通信白書は、第五世代移動通信システム(5G)を、withコロナの時代における「新たな日常」の構築に不可欠の基盤と位置づけ、5Gについての記述が主な内容になっていますが、5G整備と光ファイバーの関係については、次のように指摘しています。

「移動通信システムのネットワークのうち、基地局と端末を結ぶアクセスネットワークは無線で構成されているが、基地局から先のコアネットワークは、その大半が有線によって構成されている。5Gによって4G以上の超高速通信を実現するためには、より高速の有線回線、つまり光ファイバーの整備や増強が不可欠である。」「5Gネットワークの全国展開にあたっては、5G基地局の整備と光ファイバーの整備を一体的に行っていくことが、5Gのメリットを最大限に活かすためにも重要である。」と。

その光ファイバー網整備への本県の取組についてですが、「やまぐちデジタル改革基本方針」には、「ブロードバンド環境の確保」ということで、「離島や過疎地域を含め、県内全域に光ファイバー網がくまなく整備されるよう、引き続き、市町や通信事業者に整備促進を働きかけるとともに、国に対し、支援制度の継続・拡充と、今後における設備等の維持・拡充・更新に係る安定財源の確保に向けたユニバーサルサービス化を強く求める。」と記されています。

私は、正直に申し上げてこの記述には、県が当事者意識をもって主導的に光ファイバー網の県内全域整備を進めていくという強い意志が感じられず、そういう姿勢でいいのかとの思いを持ちます。令和2年3月末時点における光ファイバー整備率(世帯カバー率)は、全国で99.1%ですが、山口県は94.4%で47都道府県中整備率が低い方から長崎、島根、宮城に次いで4位であります。離島が多い県が整備率が低いという面はあるのでしょうが、そうだからこそ県がしっかり主導して整備に取り組む必要があるのではないでしょうか。

そこで、お尋ねです。県は、光ファイバー網の県内全域整備に向けて市町や情報通信の民間事業者との協議会を設け、年次目標を設定した事業実施計画を立てて取組を推進すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(部長答弁

→【要望