令和3年6月定例県議会【2.統合型校務支援システムについて】

2.統合型校務支援システムについて

学校の働き方改革と教育におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進という2つの面からその実施が求められているのが統合型校務支援システムの整備であります。

統合型校務支援システムとは、「教務系(成績処理・出欠管理・時数管理等)、保健系(健康診断票・保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などの業務を統合した機能を有しているシステム」を指し、成績処理だけでなく、広く校務と呼ばれる業務全般を実施するために必要となる機能を実装したシステムです。

文部科学省は、2018年から2022年までの5か年を計画期間とする「教育のICT化に向けた環境整備計画」を策定し推進していますが、この計画で目標とされている整備水準の一つが、統合型校務支援システムの100%整備であります。ついては、本県における統合型校務支援システムの整備に関し数点お伺いいたします。

第一点は、現時点の整備状況についてであります。「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」は、今年と明年の2年を残すのみとなりましたが、本県における現時点の統合型校務支援システムの整備状況はどうなのか。また、計画期間の最終年度である2022年までに計画の整備目標水準である100%整備は達成できる見通しなのかお伺いいたします。

第二点は、整備の具体的な内容についてであります。先程述べたことですが、統合型校務支援システムは、教務系・保健系・学籍系・学校事務系など広く「校務」と呼ばれる業務全般を統合した機能を有しているシステムであります。ついては、本県における統合型校務支援システムは、そういうシステムとして整備されているのかお伺いいたします。

第三点は、どういう学校種を包含したシステムにするのかについてであります。文部科学省が作成した「統合型校務支援システムの導入のための手引き」を見ますと、統合型校務支援システムの整備の促進を図るための有効な方法の一つとして、「都道府県と域内の市区町村との連携により、都道府県単位での統合型校務支援システムの共同調達・運用に向けた取組を進めることが重要である。」との方針が示されています。
令和3年度県教育委員会の当初予算概要を見ますと、「ICTを活用した先進的教育推進事業」ということで、「統合型校務支援システムの早期整備」が明記され、「高等学校は、統合型校務支援システムを全校に前倒し導入。小中・特別支援学校は、統合型校務支援システムの導入に向けた検討・支援」との説明がありますが、果たしてそのような方針で統合型校務支援システムの整備を進めていっていいのでしょうか。

ご案内のように、今日進められているデジタル化は、個々別々に個別最適を実現するデジタル化ではなく、個別最適と全体最適を同時に実現していく構造的なデジタル化であり、デジタルトランフォーメーションとは、まさしくそのことを意味していると考えます。

そこで、お尋ねです。統合型校務支援システムは、県教育委員会がリーダーシップを発揮して、県立の高等学校等のみならず市町立の小学校・中学校も包含する全県統一の校務支援システムとして整備を図っていくのが望ましいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(教育長答弁