平成28年6月定例県議会【林業振興について】(1)基盤整備について

林業振興について

我が国は、国土の7割が林野である森林大国であります。従って、その豊かな森林を資源として生かすことが出来れば、我が国は資源大国となります。森林の保全育成を適切に行いつつ、森林の資源としての価値を最大限生かすことが出来るようにしていくことは、我が国が、将来に向けて明るい展望を持つことを可能にするものであり、安倍政権が最重要政策課題として取り組んでいる地方創生を、実現していく道であります。
そういう思いから、私はこれまで幾度も森林整備や林業振興のことを議会で取り上げてきましたが、この度も今時点で課題と認識していることについて、3点ほどお伺いいたします。

1. 基盤整備について
先ず第一点は、林業の基盤整備についてであります。
先日私は、ある林業事業者を訪ねまして「林業振興のため、何が最も必要と思われますか。」とお聞きしましたところ、「基盤整備です。」との答えが返ってきました。
林業にとっての基盤整備とは、森林施業のための路網整備であります。路網は、林道、林業専用道、森林作業道の三つに大別できますが、森林施業のためにその三つが効率的につながる路網ネットワークの整備が重要であります。
当然、今日までそうした路網の整備は行なわれてきていますが、改めて今日そのことが求められる所以は、何なのでしょうか。二つのことが考えられます。一つは、林業の生産性向上を図るために、高性能林業機械等の導入を可能にする路網の整備が求められているということであります。
もう一つは、長期的、広域的な視点からの、効率的な森林施業のため路網整備の必要性であります。
そこでお尋ねです。林業振興の基盤となる路網の整備に、県は今後どういう方針、計画のもと取り組んでいかれるのかご所見をお伺いいたします。また、関連してのお尋ねですが、特に森林作業道の整備については、補助要件の緩和と手続きの簡素化を求める声が強くありますが、このことにつき併せご所見をお伺いいたします。

20160600

回答◎農林水産部長(河村邦彦君)
林業振興に関する数点のお尋ねにお答えします。
まず、基盤整備についてです。
人工林の多くが利用期を迎える中で、林業の生産性の向上や長期的視点に立った適切な森林整備を効率的に進めるためには、お示しのとおり、林道や森林作業道などの林内路網の整備を進め、ネットワーク化を図ることが重要です。
このため、県では、やまぐち農林水産業活力創出行動計画に、生産性の高い素材生産システムの構築に向けた路網の整備目標を掲げているところであり、将来の森林経営を見据えた林内路網の整備を計画的に推進することとしています。
特に、県下二十一カ所の森林整備加速化団地において、比較的安価に開設できる林業専用道や森林作業道の整備を重点的に推進し、路網の高密度化を図り、高性能林業機械を活用した木材生産の低コスト化を進めてまいります。
また、新たに策定した森林作業道作設指針に基づき、加速化団地の取り組みも踏まえながら、地形や傾斜に応じた効率的な作業システムを構築するとともに、その成果を県下各地に波及させ、路網ネットワークの拡大を図ってまいります。
次に、お尋ねの森林作業道は、木材を切り出すために不可欠な路網であり、地形等により開設経費が異なることから、全国一律の単価適用などの補助要件の緩和や、ふくそうする事業計画など事務手続の簡素化について、引き続き、国に要望してまいります。

2016年6月29日