平成28年6月定例県議会【防災知識の普及について】

防災知識の普及

質問の第二は、防災知識の普及についてであります。
県が、県民向けに防災知識の普及のために作成したものとしては、「やまぐち防災ガイドブック」と「災害教訓事例集」があります。
そこで先ず、「やまぐち防災ガイドブック」についてのお尋ねですが、これは、何時作成され、何部発行され、どのように配布活用されているのか、お伺いいたします。
次に、今年の3月に作成された「災害教訓事例集」について、数点お尋ねいたします。
第1点は、ガイドブックと同様、事例集の配布活用についてであります。この災害教訓事例集は、最初に500部発行され、その後500部追加発行されて、現在まで計1000部発行されていますが、どのように配布活用されているのか、お伺いいたします。
第2点は、事例集の発行部数についてであります。今、述べましたように、この事例集は1000部発行されていますが、あまりに少ないと思います。
県のホームページに掲載してあるということですが、トップページにある訳ではないので、「災害教訓事例集」と入力して検索する必要があります。そして、検索してもファイルサイズが大きいということで、八つに分けて掲載してあります。
防災知識の普及ということを考えれば、この事例集が、防災に関心がある多くの県民の手許に、冊子の形で在ることが可能になるよう、更に必要な部数の発行を行なうべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
第3点は、事例集の内容についてであります。今回発行された事例集は、山口県における災害の事例集でありますが、日本の全国各地における災害事例も、学ぶべき教訓があると思われる代表的なものを、併せ掲載した内容の事例集にするのが望ましいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
第4点は、同じく事例集の内容と構成についてであります。山口県と全国各地の災害事例から導き出される共通の防災のための教訓を、台風、水害、地震、津波、土砂災害など、災害の種類別にコンパクトにまとめたものと、山口県の災害教訓事例、全国の災害教訓事例の三部構成から成る災害教訓事例集が、作成されれば、防災知識の普及に役立つ優れた教本になるものと思われます。ついては、この度作成された事例集を、今後、そういう内容構成の災害教訓事例集にしていくことを検討すべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

回答◎総務部長(渡邉繁樹君)
防災知識の普及についての数点のお尋ねにお答えします。
災害が発生した際に、県民一人一人が的確な行動をとれるよう、県では、防災シンポジウムや出前講座を実施するとともに、お示しのやまぐち防災ガイドブックや、災害教訓事例集を作成するなど、防災知識の普及啓発に取り組んでいるところです。
そこで、まず、防災ガイドブックの作成時期等についてのお尋ねです。
ガイドブックは、平成二十四年度に三千部、平成二十六年度には、災害対策基本法の改正等を受け、改訂版を千五百部作成しており、これまで、住民の防災訓練や自主防災組織の研修等において活用しています。
次に、災害教訓事例集の配布活用と、さらなる増刷についてです。
事例集については、多くの県民の方にごらんいただくため、県のホームページに掲載しているほか、冊子として五百部発行し、市町の防災担当課や教育委員会等に配布して、防災教育や研修等において活用されるよう働きかけているところです。
また、今年度は、五百部を追加発行し、新たに開催する県民向けの災害教訓伝承セミナーにおいて活用するとともに、防災に関心のある県民の方が閲覧できるよう、市町の図書館や大学・高等学校等へ配布することとしています。
今後においても、事例集の周知に努め、ホームページからの利用を促進するとともに、必要に応じて増刷を検討し、さらなる有効活用を図ってまいります。
次に、事例集に全国の事例を加え、三部構成にすべきとのお尋ねです。
事例集は、身近な地域で実際に発生した災害について、被害の状況や体験談などを紹介することで、災害が現実に身近なところで起きるということを実感し、災害に備えていただくために作成したものです。
このため、この事例集自体に全国の事例を加えることは、考えていませんが、防災ガイドブックを含めて、その構成や内容については、今後の改訂の際、活用状況等を踏まえ、市町・専門家等の意見を伺いながら検討してまいります。

2016年6月29日