平成28年9月定例県議会【国のエネルギー政策について】

お尋ねの三は、国のエネルギー政策に関してです。
本県は、国のエネルギー政策に協力することを基本的スタンスにしております。ところが、その国のエネルギー政策は、福島原発事故以後、将来の具体的な全体像を描き切れないまま推移しています。特に、原子力発電に関して、そうであります。
原子力発電について国の方針を確認しますと、先ず、一昨年の平成26年4月に策定されたエネルギー基本計画においては、原発は、ベースロード電源と位置付けられたものの、原発依存度については、可能な限り低減させるとの方針が明記されています。次に昨年、平成27年7月に経済産業省が公表した「長期エネルギー需給見通し」では、2030年度における電源構成において原子力発電が占める割合を、20%から22%としており、これの達成は、既存原発の再稼動と運転期間の延長で可能との見通しであり、「原発の新増設は想定していない。」との見解を、政府は明らかにしております。つまり、現時点における政府の方針では、原発の新増設は想定されていないのであります。
一方ややっこしいのは、重要電源開発地点の指定では、現在も、新規計画の原子力発電所が、六地点指定され、九基の原発がその対象になっているということであります。その九基の原発の中で、島根原発3号機、大間原発、東通原発1号機の三基は、原子炉設置が許可され、原子力発電所としての本体工事が進捗しており、2030年度の電源構成を考える上においては、これら三基は、既存原発に含められています。そこで問題となるのは、上関原発1号機、2号機を含む残り六基の明確に新増設と見做される原発の位置づけであります。
政府の方針は、原発の新増設を想定していない。しかし、重要電源開発地点の指定においては、新増設の原発の指定に変更はない。先ほど、私は、国のエネルギー政策は、特に原子力発電において、将来の具体的な全体像を描き切れていないと申し上げたのは、こうした現状を指してのことであります。
では、「原発の新増設は、想定していない」とする政府の方針と、重要電源開発地点の指定を受けている新増設原発の建設計画とは、どういう関係にあるのでしょうか。
重要電源開発地点の指定は、電気事業者等の要請に基づき経済産業大臣が指定するものであります。一方、「原発の新増設は、想定していない。」との政府方針のベースにあるエネルギー基本計画及び長期エネルギー需給見通しは、平成14年に策定されたエネルギー政策基本法に基づいて政府が策定するものでありまして、特に、エネルギー基本計画は、閣議決定されることになっています。このことから、重要電源開発地点指定制度の上位に、エネルギー基本計画及び長期エネルギー需給見通しを受けての政府方針があると言えます。従って重要電源開発地点の指定があっても、実際上の事業計画の実施は、政府方針に沿う他なく、「原発の新増設は、想定していない」との政府方針が明確な今日、事業者は、原発の新増設の計画を前に進め得る状況にはありません。
以上のことを踏まえ、お尋ねいたします。私は、重要電源開発地点に指定されている新増設の原子力発電所は、国のエネルギー政策において、未だその位置づけは不透明であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

2016年11月28日