平成30年11月定例県議会【1.県の役割について】

「公共交通政策について」

1. 県の役割について
平成25年に制定された交通政策基本法は、第9条において、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、交通に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と定めています。都道府県の責務、市町村の責務とせず、地方公共団体の責務という表現にすることで、国は、交通に関する施策の策定及びその実施は、都道府県と市町村が、お互いに連携して当該区域における交通政策の進展を促そうとしているようです。
そうとは云え、実際上は直接住民生活にかかわっている市町が、域内における交通政策、特に通勤、通学その他不特定多数の様々な人たちが移動手段として利用する公共交通に関する施策の大部分を担っています。それに対し県は、公共交通にかかわっている市町や民間事業者に対して、国の支援策の仲介、広域調整、補完的支援などの役割を、これまでは主に果たしてきていまして、どちらかと云えば受け身的な役割に終始してきたように思われます。
しかし、今後の公共交通の望ましい在り方を展望するとき、県が主導的役割を果たすべきと思われることがあります。これからの県政が目指すべき方向の一つは、マイカーがなくてもシームレスな公共交通ネットワークが整っていて自由な移動が高齢者や障碍者を含めて誰にでも確保されている地域社会の形成であります。また、そうした公共交通のネットワークは、観光振興においても重要で国内一般の観光客のみならず、インバウンドの訪日外国人にとっても利用しやすい仕組みにしていくことが望まれます。更には、公共交通機関としてのバス等の運行において定時性が確保されるよう道路の整備を、県に期待する声もあります。そのような利便性・信頼性の高い、そしてネットワークとしてつながっている全県的な公共交通の形成に向けては、当然に県が主導的な役割を果たしていくことが求められます。
そこでお尋ねです。県は、本県における公共交通に関する施策の策定及び実施において、今後どういう役割を果たしていかれるのか、ご所見をお伺いいたします。