答弁【ア. 朝鮮通信使の資料の保存と活用について】

「日韓交流事業について」

(3)日韓交流の良き歴史的記憶の形成について

ア.  朝鮮通信使の資料の保存と活用について【教育長答弁】

日韓交流事業についてのお尋ねのうち、朝鮮通信使の資料の保存と活用について、お答えします。
平成29年10月にユネスコの「世界の記憶」に登録された「朝鮮通信使に関する記録」は、日韓両国の歴史的経験に裏付けられた平和的・知的遺産として、顕著で普遍的な価値を有する資料です。
本県にはお示しのとおり、8件25点の資料が所在していますが、このうち、2件14点を県立山口博物館及び文書館で所蔵しており、歴史的に貴重な資料として、これまで適正な保存に努めるとともに、効果的な活用を図ってきたところです。
具体的には、日韓交流の良き歴史的記憶を多くの人々が認識することが重要であることから、関係資料の展示や高画質画像データの整備・提供、広報誌での特集など、情報提供やPRに努めています。
また、お示しの下関市立歴史博物館をはじめ、釜山博物館等、日韓の関係施設が特別展を実施する際に、資料の貸出を行ったほか、昨年、上関町で開催された全国大会においても、基調講演を行うなど、その資料が持つ歴史的価値等についてPRに努めています。
さらに、下関市や上関町など、全国19市町区等で構成される「朝鮮通信使縁地連絡協議会」では、日韓親善の推進に向け、歴史資料の研究事業や各縁地での交流事業を進めることとしており、本県も同協議会の専門部会にオブザーバーとして参画し、各事業への協力を行うこととしています。
加えて、文化財保護法の改正を受け、今年度、県では、地域における文化財の保存・活用の促進を図るための全県的な方向性を示す「文化財保存活用大綱」を策定することとしており、各市町では、この大綱を指針として「文化財保存活用地域計画」を策定することになっていることから、今後、県教委といたしましては、この計画において、こうした貴重な資料が両国の友好関係の発展に資するものとなるよう、関係市町に対しても必要な情報提供や助言等を行ってまいります。