平成28年2月定例県議会【大学と地域振興】(2)大学生の県内就職推進について

(2)大学生の県内就職推進について

村岡知事は、今議会に提案されました平成28年度山口県予算案において、本県の人口減少に真正面から向き合い、このことへの対策に重点的に取り組む姿勢を明確にされました。産業戦略推進の強化、結婚・出産・子育て支援の充実、UJIターンの促進やCOCプラス事業における大学との連携などにおいて、様々なきめ細かな施策が予算措置されており、人口減少克服にかける知事の並々ならぬ決意がうかがえます。
私は、これらの施策の中で、知事が議案説明において、「県外への人口流出を食い止めるため、産学官の連携により、県内大学等が地元就職率の向上に取り組む『COCプラス事業』とも連携を図り、若者の県内就職を促進する」と述べられたCOCプラス事業に関連して、大学生の県内就職推進についてお伺いいたします。
COCプラスのCOCとは、センター・オブ・コミュニティの略称で、大学が地域コミュニティにおける地(知)の拠点として地域課題の解決に取り組む事業のことを指しています。そして、COCプラスは、そのCOCの活動に加えて、大学生が地元に就職、定着することを促進して、若年層の流出を防ぎ、地方再生に資していくことを目的とするもので、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業と称されています。
このCOCプラス事業は、謂わば文部科学省による地方創生事業の一環ともいえるもので平成27年度から予算措置され推進されています。事業を中心的に担っているのは大学ですが、地元の自治体や経済団体、企業等との連携が不可欠です。本県では、大学関係は山口大学、山口県立大学、徳山大学等の大学・短期大学9校に高専3校の12教育機関が、自治体では県を含む13市6町の全地方公共団体が、経済団体では経営者協会や商工会議所連合会等の8団体が、そして県内主要企業の多くが、この事業へ協働機関として参加しています。
この事業の期間は、平成27年度から31年度までの5年間で、本県では、この5年間で、県内大学・高専の地元就職率の10%向上を目指します。具体的には、平成26年度県内大学・高専の、地元就職率は33.07%でありましたが、これを43.2%までアップすることを目標としています。
この事業を推進するに当たり、県内企業の調査を行って明らかになったのは、山口県は、年間売り上げが100億円を超す企業が80社あり、他県に比して魅力ある企業が数多くあるということであります。従って、そうした地元企業が求める人材を育成する教育プログラムを大学は充実実践し、そのことで育った学生が、地元企業の魅力を知り、そこへの就職を希望するようになり、地元企業もそれを積極的に採用していくという好循環が生まれていくことになれば、5年間で地元就職率10%アップというのは、高いハードルではありますが、達成可能のように思われます。
知事は、「大学や企業の取組みと連携し、県内企業での大学生インターンシップを総合的に推進する」とも議案説明で表明し、次年度は「魅力再発見!やまぐちインターンシップ応援事業」ということで約2000万円の予算措置をするなど、COCプラス事業において県に求められる役割については、ほぼ満額の予算措置をされました。COCプラス事業を中心的に担っている大学関係者にとっては、誠に心強い限りと思われます。
私は、こうしたCOCプラス事業への取り組みを評価し、それが所期の目的を達することを期待するものです。ただ、このことに関連して思うのは、県内大学生の地元就職を促進するとともに、県外大学生の県内就職を促していくことも併せ重要であって、その双方の取り組みにより、若い世代の県内定着を実現していくことが、有効な人口減少対策になるということであります。
そこで求められるのは、若い世代を受け入れる雇用の場を創出する産業政策であります。このことに県は、産業戦略部を設けてしっかり取り組まれているところでありますが、私はその取組の中に是非、世界を市場とする基幹産業を、新たに育成し形成していくことを、明確に位置付けるべきだと考えています。そのことが、裾野の広い雇用の場の創出につながると思うからです。
そこでお尋ねいたします。大学生の県内就職を推進していくためには、COCプラス事業と連携して県内大学生の地元就職率向上を図るとともに、県外大学生の県内就職の促進にも取り組むべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
また、大学生の県内就職を推進して、若い世代の県内定着を実現していくためには、若い世代を受け入れる雇用の場を創出する産業政策が重要であります。この産業政策について、新たな基幹産業を育成し形成していく取り組みも含め、ご所見をお伺いいたします。