令和7年11月定例県議会 県有施設の避難場所指定について(1)

 1.県有施設の避難場所指定について

県民の安全・安心の確保という観点から、災害対応時において避難場所としての利用可能な県有施設は、県民の避難要請に最大限応ずることができる施設であるべきだと考え、災害対応時における県有施設の在り方について質問いたします。

私は、今年の4月から県議、私立高校の理事長に加えて90世帯ほどある大橋町という町内会の会長をしています。町内会は吉敷地区に属し県の総合保健会館と移転した新山口警察署の間にあります。町内の南側は、総合保健会館との間を前田川が、また町内の裏地にあたる西側は吉敷川が流れています。この前田川、吉敷川のいずれも椹野川水系の河川で水位計が設置されていまして、ここ数年は毎年大雨時に氾濫危険水位を超える増水が確認されています。時には、そのことがテレビニュース等で防災情報として流されることがあり、町内の方々は不安の中で過ごすことになります。

今年は、8月9日からの大雨が主に本県西部において被害をもたらしましたが、この時も、前田川、吉敷川は氾濫危険水位を超える増水があり、町内会長としては住民の安全確保上の備えとして、総合保健会館に避難できる可能性を確保しておきたいと考え、総合保健会館は県有施設ですので県の関係者にその旨伝えたところ、「避難の受け入れはできない。」旨の回答がありました。県民の安全確保は、県が市町と共同して担うべき最優先の事案であるはずなのに「なぜ?」との思いを禁じえませんでした。

実は、私は平成26年9月県議会で「防災対策について」ということで一般質問を行い、県有施設の避難場所指定についてお尋ねしております。その時は、「市町から個別に要請があり、施設の使用目的や利用実態等を踏まえて、特に支障がないと判断される場合には、避難場所としての指定に協力してまいりたい。」旨の答弁がありました。私は、この答弁を前向きなものと受け止め、その後確認はしていませんでしたが、当然に総合保健会館は、山口市が策定する防災計画の中で指定避難場所に位置づけられるであろう。」と思っていました。ところが、町内会長として大雨時にそのことを思い出し電話をしたところ、そうではなかった次第です。

こうしたことから私の関心は、当然に「なぜ総合保健会館は、避難場所指定を受け入れないのか。」ということに向きまして、その理由を県の健康福祉部に問いました。健康福祉部に問うたのは、総合保健会館内で避難場所として利用可能と思われるスペースがあるのは、その会館内の健康づくりセンター施設であり県の健康福祉部が所管しているからです。総合保健会館は、県が区分所有している部分と県医師会等の入居団体が区分所有している部分と共有部分とで構成されており、県が区分所有しているスペースに保健所や健康づくりセンター等がありまして、その健康づくりセンターが、総合保健会館の総床面積の約52パーセント、半分強を占めています。従って、この質問で総合保健会館という場合は、その建物内の健康づくりセンターを指してのことです。

総合保健会館内の健康づくりセンター施設を、なぜ避難場所に指定することができないのかについて、健康福祉部の説明では、「県医師会をはじめとした医療関係団体が入居している施設であり、管理運営上の課題があること」また、「避難所の設置運営主体である山口市の意向が確認できないこと」などの理由によるものでした。私からいたしますと納得がいきません。どうして、そのようなことが理由としてあげられているのか。その背景には、災害対応時の避難場所についての県職員の認識が、2つの点において十分でない、強く言えば誤っていることがあると見ています。その第1点は、市町が指定する災害時の避難場所には、避難所と緊急避難場所との二通りがあることへの認識の欠如であります。災害発生時に被災者が一定期間滞在できる施設等が指定避難所であり、災害が発生するおそれがある時や災害発生時に、緊急的に避難し、身の安全を確保する場所が指定緊急避難場所です。山口市の現在の防災計画での避難場所は、すべてその両方を兼ねていますが、市の防災危機管理課は、「避難場所は、必ずしもその両方を兼ねておく必要はなく、緊急避難場所のみの指定もあっていいと考える。」との見解を述べていました。私が、総合保健会館に求めているのは、その緊急避難場所としての指定の受け入れであって、近隣の住民が、一時的に身の安全を確保するために避難可能な施設であることを望んでいるのであります。私は、総合保健会館が、指定緊急避難場所として災害対応で一時的に住民避難を受け入れたとしても、懸念されているようなことは生じることがないことを、会館内の健康づくりセンターのホールや研修部屋等の施設を実地に視察して確認しました。

なお、実際に近隣住民が一時的に避難する必要が生じた際の施設の開放や施錠に必要なカギの管理については、施設の管理者が行うのが当然であり、健康づくりセンターの管理は、山口県健康福祉財団が指定管理者として業務を受けていますので、その業務の中に含めればいいだけのことです。

次に第2点は、災害時の避難場所にかかわる業務は、市町の業務であって県の業務ではないとの認識です。災害から県民を守り安全を確保することは、県と市町が共同して担うべきことであり、為すべきことにおいて定めの別があったとしても、県民の安全確保という共通の目的に向かってお互いに当事者意識をもって協力し合うべきだと考えます。県職員に、そういう意識があれば、避難所の設置運営主体である山口市の意向が確認できないということを理由に挙げること自体があり得ません。

住民の安全確保を最優先するとの認識の下で、総合保健会館を所管する県、管理者である山口県健康福祉財団、避難所を設置運営する山口市が、避難場所の指定に必要な事項を協議し、取り決めればいいだけのことです。一時的な住民避難の受入れは、基本的に場所の提供であって、難しいことではありません。指定緊急避難場所開設・運営に係る市の考えが不明であるということが理由なのであれば、県から意向を確認するなどして解消すればいいのではないでしょうか。

また、県から総合保健会館についての説明を受けた際には、県民の安全・安心の確保のため、災害対応時における県有施設の在り方について検討を行っているとのお話もありました。県民の命に関わることであり、大変重要なことでありますので、市町とも連携しながら速やかに対応していただきたいと思います。
そこでお尋ねいたします。

(1) 県総合保健会館の緊急避難場所への指定について
先ず、県は災害対応時における県有施設の在り方について検討し、避難場所として利用可能な県有施設は、県民の避難要請に最大限応ずるようにすべきであり、特に、県総合保健会館は、指定避難所はともかく指定緊急避難場所への山口市からの指定要請は受け入れるべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
→(知事答弁

 

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