答弁 (1)電気料金高騰の影響と対策について

1 電力対策について

 (1) 電気料金高騰の影響と対策について【知事答弁】

合志議員の御質問のうち、私からは、電気料金高騰の影響と対策についてのお尋ねにお答えします。

液化天然ガスや石炭の価格高騰による電気料金への影響について、本年1月分の関連指標は、対前年比で消費者物価指数が約2割、企業物価指数では約5割と急激に上昇しており、県民生活や企業経営に大きな影響を与えているものと考えています。

このため、県では、今年度、累次にわたり原油価格・物価高騰対策を実施し、県民や事業者への支援に取り組み、また、電気事業を所管する国に対しては、実質的な負担軽減につながる制度設計について、全国知事会を通じて要望してまいりました。

その結果、国の総合経済対策において、電気料金の激変緩和対策が実施され、今年1月使用分から料金引下げが行われており、一定の負担軽減が図られています。

こうした中、電気料金をはじめとする物価高騰は、今後もさらなる上昇や高止まりが懸念されていることから、私は、来年度予算においても引き続き、厳しい状況にある県民や事業者への影響緩和を図るための対策を講じてまいります。

具体的には、まず、県民が利用する施設等でのサービス継続を図るため、医療機関や社会福祉施設等の光熱費をはじめ、公共交通事業者の燃料費や、学校・保育所等の食材費に対する支援を実施します。

また、企業の事業継続に向けて、省エネ・業務効率化に資する設備導入補助や、経営診断等によるデジタル経営への転換支援、リスキリングによる人材育成支援などにより、生産性向上を図ります。

さらに、経営の安定に向けて、「原油価格・物価高騰対応資金」など資金面からの支援や、クラウドファンディングを活用した頑張るお店応援プロジェクト、運送料の値上げに対応したEC送料支援などにより消費需要を喚起します。

私は、電気料金等の物価高騰が県民生活や企業経営に与える影響を最小限に抑えることができるよう、国の対策に適切に呼応しながら、引き続き必要な対策を講じてまいります。

その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。

答弁 (2)県の電力行政について

1 電力対策について

 (2) 県の電力行政について【理事答弁】

県の電力行政についてのお尋ねにお答えいたします。

火力発電については、国の第6次エネルギー基本計画において、排出される二酸化炭素の回収・貯留等による脱炭素化や、お示しの石炭ガス化複合発電などの技術開発等を推進していくとされています。

一方で、原子力発電についても、運転時に温室効果ガスの排出がないことから、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与するベースロード電源として、必要な規模を持続的に活用していくとされています。

このように次世代の高効率石炭火力発電や原子力発電は、国のエネルギー政策において、その役割や重要性がしっかりと位置付けられています。

こうした中、上関原発については、重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、解除する考えはないとの見解が国から示されており、国のエネルギー政策上の位置付けは現在も変わっていないと認識しています。
また、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択は、現在も変わりありません。

上関原発建設計画については、このように事情の変化がない中で、御提案のあった計画変更について県が役割を果たすことは考えておらず、県としては、これまで同様、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してまいります。

令和5年2月定例県議会 電力対策について(電気料金高騰の影響と対策)

1. 電力対策について

(1) 電気料金高騰の影響と対策

電気料金の高騰が、県民生活と県内企業の経営を直撃しています。平成28年に電力小売が全面的に自由化されまして7年が経過しようとしていますが、中国エリアにおける令和4年10月の販売電力量において新電力の占める割合は1割前後にとどまり、中国電力が一般家庭向けの低圧電力においては87%、企業等向けの高圧・特別高圧電力においては91%を占めています。従いまして、中国電力のデータに基づいて電気料金高騰の実情を先ず明らかにしたいと思います。

先ず、1月当たり260kWh使用の一般家庭(4人家族で非オール電化の家庭想定)をモデルケースとした場合、販売電力量の68%を占めている自由料金で見ますと、令和4年1月は、月額7542円であったのが1年後の本年1月は11058円となり47%値上がりしています。一方、燃料費調整による上限が設けられているため電気料金の値上げに制限がある規制料金の場合は、同様モデルケースの一般家庭で令和4年1月は7589円であったのが、本年の1月は8029円で値上率は6%程に留まっています。

中国電力は、本年4月からの新料金では一般家庭向けの低圧電力の料金は、自由化料金も規制料金もほぼ同一水準にする方向で料金設定を行っているため、自由化料金はわずかですが値下げとなり、規制料金は30%程の値上げとなる見通しです。このため、モデルケースの一般家庭の本年4月の電気料金は、いずれも10400円前後となり昨年1月から3000円程値上がりしたことになりますが、同ケースで令和3年1月の料金は6406円ですのでそれと比すれば4000円強の値上がりです。ただ、昨年10月に閣議決定された「電気・ガス価格激変緩和対策」により、令和5年1月から9月までの使用分において低圧の電気料金は、1kWh7円、9月分は3.5円差し引かれることになりますので、モデルケースの一般家庭においては1820円の値引きとなるものの、年金生活者や子育て世代で家計のやりくりに苦慮している家庭等にとっては、生活が苦しくなる厳しい電気料金の値上げであることに変わりはありません。

次に、企業等の産業用高圧電力使用の場合、6KV高圧電力で契約電力1000kW、月間電力量280千kWhのモデルケースでは、令和4年1月は電気料金が516万円であったのが、本年4月からの新料金では976万円となる予定です。ただ、高圧電力の場合も本年1月から9月までの使用分の料金については、国の価格激変緩和対策により1kWh当たり3.5円、9月分は1.8円差し引かれますので、そのことを考慮しましても878万円となり、令和4年1月に比して70%の値上げであります。こうした電気料金の高騰は、企業の経営努力の範囲を超えていて事業継続の見通しが立たなくなると、企業経営者から悲鳴に近い訴えの声を聴いています。

電気料金高騰の要因は、燃料価格の上昇と高止まりで、その背景の一つにはロシアのウクライナ侵略を受けて、世界で液化天然ガス(LNG)や石炭といった資源を確保する動きが活発化していることがあるようです。その収束の見通しは不透明でありますが、そうした状況の中において、県民生活と企業経営を、どう守っていくのか政治の責任が問われています。

そこでお尋ねです。先ず、県は、電気料金高騰の県民生活や企業経営への影響をどう見ているのかお伺いいたします。次に、県民の生活を守り企業の事業継続を図っていくために電気料金高騰への対策が求められていますが、このことにどう取り組むのかご所見をお伺いいたします。

→(知事答弁

 

 

 

 

令和5年2月定例県議会 電力対策について(県の電力行政)

1.電力対策について

(2)県の電力行政

私は、主たる役割が上関原発建設計画に係ることである県の電力行政の現状を終わらせる決断の時を、本県は迎えていると考えています。

これまで何度も議会において指摘してきたところでありますが、将来にわたって上関原発が建設されることはあり得ません。民主党の菅政権の時に閣議決定された「エネルギー基本計画」は、2020年までに我が国の総発電の50%以上をゼロ・エミッション電源にするため原子力の新増設を少なくとも14基以上とする内容で、その計画において建設が位置付けられていたのが上関原発でした。その後、東日本大震災が発生し福島第一原発が津波に襲われて陥った過酷事故は、偶然の結果が良い方向に向いたため東日本壊滅という最悪事態は回避することができましたが、国の存立自体を脅かすリスクを原発が内包していることが明らかとなりました。このため、原発新増設の計画は改められ、その後のエネルギー基本計画においては「原発への依存度は可能な限り低減していく」方針が明記されてきました。こうした国のエネルギー政策の延長線上に上関原発の建設はあり得ないことは明白です。

私は、昨年の2月県議会で、今後の我が国のエネルギー政策において原発が担う役割は補完的なものとの見方を示しました。現岸田政権は、原発推進に転じたかのように報じられていますが、その中身は既設原発の再稼働と運転期間の延長が主であって原発の補完的役割をやや強化して延長しようというものであります。従って、上関原発の建設は、岸田政権による原発推進の視野には入っていないと見て間違いないと思われます。

資源エネルギー庁の原子力国際戦略検討小委員会の委員を務めた経歴を持つ評論家市川真一氏は、原子力産業新聞に昨年11月、「原子力利用に一歩踏み出した岸田政権」と題して寄稿し、「政府、電力業界にとって残された課題は、福島第一原子力発電所の事故前に既に建設の初期段階にあった東京電力・東通1号機、建設準備中だった日本原電・敦賀3・4号機、東北電力・東通2号機、中国電力・上関1・2号機、九州電力・川内3号機、計7基について結論を出すことだろう。」と指摘しています。そして、「上関原発1・2号機、東通原発1・2号機の4基は、炉型が沸騰水型軽水炉(ABWR)で、福島第一とベースは同一の沸騰水型であることも論点になる可能性は否定できない。」と述べ、上関原発建設計画が国民の理解を得ることの困難さを示唆しています。

その上で、岸田総理が原子力の活用継続に一歩踏み込んだことを評価し、次のように結んでいます。「再生可能エネルギーと原子力、水素(アンモニア)を組み合わせ、且つ使用を避けられない化石燃料については、二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)などの技術を活用してカーボンニュートラルを達成する・・・これが次世代の日本のエネルギー戦略の基本になる道筋がようやく見えてきたと言えるだろう。」と。

中国5県のエリアでこの道筋を展望した場合、上関に建設されるべきは原発ではなく将来アンモニア発電への移行も可能なCO2回収型の石炭ガス化複合発電(IGCC)もしくは同様CO2回収型の石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)であると考えます。中国電力は、広島県大崎上島町の瀬戸内海の島でこのIGCC、IGFCの実用化に向けて実証実験を行っており、その成果を同じ瀬戸内海に面する上関で生かすことが望ましいと考えます。

中国エリアにおける原子力発電は、島根2号機の再稼働が認められ、既に建設が完成している島根3号機の営業運転が開始されれば充分で、あえて世論の強い反発を押し切ってまで上関原発を建設する選択は、もはやあり得ないと見ています。

上関にCO2回収型カーボンフリーのIGCC若しくはIGFCを建設した場合、将来的には水素のエネルギーキャリアであるアンモニアの混焼、更にはアンモニア専焼の発電への移行も想定されます。燃やしてもCO2を出さないことから脱炭素の切り札としての期待が高まっているアンモニア発電が、上関において実現すれば中国エリアにおける電力供給は、主に再生可能エネルギーと原子力そしてカーボンフリーの火力により行われることになり、カーボンニュートラルの達成に大きく近づくことになります。

本県は、瀬戸内コンビナートにおいて全国の1割の水素を生成する水素先進県であり、そのことを本県産業の強みとして活用する施策の推進を図っていますが、水素のエネルギーキャリアであるアンモニアによる発電への活用も検討されていいテーマであると考えます。

以上申し上げたことを踏まえ、お尋ねいたします。本県の電力行政は、上関原発建設計画を、CO2回収型の石炭ガス化複合発電(IGCC)若しくは石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)に変更する方向でリーダーシップを発揮し役割を果たすべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(理事答弁