答弁 県立美術館の役割と県美展について

3.県立美術館の役割と県美展について【部長答弁】

県立美術館の役割と県美展についての3点のお尋ねにお答えします。

まず、県立美術館が県政において果たす役割についてです。

県では、「やまぐち文化芸術振興プラン」に文化観光の推進、人材育成と活躍支援、県民誰もが文化芸術に親しめる環境整備の3つの柱を掲げ、各種施策に取り組んでいるところです。

こうした中、県立美術館は、観光交流促進や文化振興の拠点施設として、多彩な文化資源を活かした交流拡大をはじめ、作品等を鑑賞する場や発表する機会を提供していく役割を担っております。

次に、県立美術館は今後どのような方針のもと運営事業を行っていくのかについてです。

県立美術館は、今後とも、「県民が参加する開かれた美術館」という方針のもと、魅力ある展覧会を開催するとともに、地元商店街と連携したイベントやワークショップの開催、児童・生徒を対象とした観覧体験学習など、美術館をより身近に感じ、親しんでいただけるような運営事業を行ってまいります。

次に、山口県美術展覧会、いわゆる県美展の現在の在り方の妥当性の検証についてです。

県美展は、昭和22年から続いている歴史ある展覧会であり、学識経験者や芸術家等で構成する運営委員会において、時代の変化などを踏まえ、適宜、募集方法等の検証・見直しを行っているところです。

現在の募集方法等につきましては、見直しの中で、ジャンルを区分することが難しい作品なども幅広く応募できるよう、平成6年にジャンルを問わない方式に改めたところですが、今後とも、適時適切に検証し、必要に応じて見直しを行ってまいります。

県としては、県立美術館を核として、引き続き、本県文化芸術の振興を図り、心豊かで活力ある地域づくりに取り組んでまいります。

令和7年6月定例県議会 食の安全への取り組みについて(1)

 1. 有機農業の推進について

食の安全を確保し、県民の健康な体づくりに寄与し、農業の持続可能性を増進していくために、有機農業を山口県政の重要な政策の柱の一つに位置付け、その推進を図るべきだと考えます。

これまで農業は、時代の要請に応じて主要課題が変遷してきています。戦後は、食糧の増産が求められ、農薬や化学肥料を活用した近代農法が推進されました。それが、1970年代になると農薬事故や残留農薬が生態系、環境に及ぼす深刻な影響が問題となり、安全重視の農業が追及されるようになりました。安全重視の農業は、一つは有機農業へとなり、もう一つは慣行農業における農薬使用を、安全が確保される範囲内に低減化していく方向へとなりました。国の農政は後者の慣行農業を推進しまして、それが我が国農業の主流となり現在に至っていることはご案内の通りです。

そして地球温暖化への対応が世界的課題になっている今日、環境負荷を低減し地域内資源循環を促す持続可能な農業の確立が求められています。そういう時代の要請に応える農業の目指すべき姿として、農林水産省は令和3年に、「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに我が国の耕地面積の25%を、有機農業の取組面積にすることを提示しました。

しかし、「みどりの食料システム戦略」が目指す姿を実現する具体的な道筋は、何等見えていません。本県の場合、現在の耕地面積は4万2900haですのでその25%を有機農業の耕地にするとすればその面積は6330haとなります。しかし、本県の現在の有機農業取組面積は135haで、これを2030年度までに200haにするとの目標が設定されています。この2030年度の目標が達成されたとしても、その後2050年までに有機農業の耕地面積を6330haまで30倍強も拡大することは全く見通せず、夢のまた夢みたいな話です。

しかし、「みどりの食料システム戦略」が目指す農業の姿は、これからの農業が進むべき方向であることは間違いなく、そのことを夢物語に終わらせてはなりません。ただ、慣行農業がほとんどであった我が国の農業において、これから有機農業の割合を高めていくためには、政治の強力なリーダーシップが必要と思われます。先に、有機農業を山口県政の重要な政策の柱の一つに位置付け、その推進を図るべきと申し上げましたのは、そういう意味からです。

有機農業を、重点政策に位置付けて推進している県のひとつに群馬県があります。令和7年度の群馬県当初予算では、重点施策の三番目の柱が、「持続可能な成長の促進」であり、サキューラーエコノミー(肥料・飼料の地域内循環)ということで有機農業の推進が、1億7618万円措置されています。また、令和7年度の主要事業一覧を見ますと、農業を所管する農政部関係の筆頭事業が、有機農業の推進です。こうしたことは、山本一太(いちた)群馬県知事が、有機農業の推進に力を入れているからだと思われます。

(1)有機農業推進の政策への位置づけについて

本県においては、村岡知事が有機農業の推進においてリーダーシップを発揮され、これからの農業の地域モデルを実現していかれることを期待します。
そこでお尋ねです。先ず、有機農業の推進を、山口県政の重要政策に位置付け、その実現を図っていくべきだと考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。

→(答弁

(2) 農業普及指導員の育成確保について

次に、有機農業を実際に指導推進する県庁人材の育成が必要です。現在、県庁職員で農業普及指導員として現場指導を行っている者は107名ですが、有機農業の指導推進を担当する農業普及指導員の計画的な育成確保に取り組むべきだと考えます。ついては、このことにつきご所見をお伺いいたします。

(3) 農業大学校における有機農業の講座について

次に、本県の農業大学校の教育において、先ずは有機農業の講座を設けることから始めて、順次その充実を図っていくべきだと考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。

→(答弁

 

 

令和7年6月定例県議会 食の安全への取り組みについて(2)

 1. 食品の収去検査について

平成15年、食品安全行政にリスク分析の考えを導入した食品安全基本法が成立し、新しい食の安全への仕組みが構築されました。この「リスク分析」という考え方を基本とした仕組みは、リスク評価の役割を担う機関と、リスク管理の役割を担う機関とで構成されます。リスク評価の役割を担う機関は内閣府に設置された食品安全委員会で、どのくらいなら食べても安全かを評価します。その評価の基準となるのがADI(一日摂取許容量)で、人が毎日一生涯食べ続けても、健康に悪影響が出ないと考えられる残留農薬や添加物等の量を科学的知見に基づいて示します。そのリスク評価を踏まえてリスク管理機関の役割を担うのが、厚生労働省、農林水産省、消費者庁、環境省等で、食べても安全なようにルールを決め、監視を行います。

国内で生産され流通している農産物の食品としての安全性は、どのようにして確保されているかを見ますと、農林水産省は、農産物の残留農薬がADIの許容量を超えることが無いよう農薬取締法で農薬使用を規制し、農産物の生産プロセスにおけるリスク管理を行います。一方、消費者庁は食品衛生法に基づき、食品として流通している農産物において残留農薬の安全基準を策定し、厚生労働省それが守られているかを監視するリスク管理を行います。このように、食の安全に関するリスク評価を踏まえた生産、流通双方のリスク管理により我が国の農産物の食品としての安全は確保されているとみなされています。

こうした食の安全を守る仕組みの中において、県が担っている役割が、食品の収去検査です。厚生労働省がリスク管理機関として担っている食品を監視する役割は、輸入食品以外は、この県の収去検査に委ねられています。

収去検査は、県内で生産、製造、加工される食品及び県内で流通する食品について、食品衛生法に基づき、各保健所が計画的に収去し、保健所又は環境保健センターが検査を実施するとともに、結果及び措置などをホームページなどで公表しています。この収去検査の確実な実施は、安全基準を逸脱した食品の流通を阻止するだけではなく、食品の生産・流通に関係する人たちを自ずと安全基準順守へと向かわせる力となります。

食の安全を守る仕組みの中において、県が実施する収去検査は、県民の食の安全を守るという観点からも大事な業務であり、収去検査が行われていること自体が、県民の食の安全を担保していると考えられることから、収去検査は、将来的にも一定の業務水準が維持されるべきだと考えます。こう申し上げるのは、近年、本県の収去検査の年間検体数が減少してきているからです。

どれほどの年間検体数であれば、収去検査の目的を果たしていると言えるかについて、正解はないと思います。ただ、サンプル調査による統計が有意性を持つためには、サンプル数は1000以上あることが望ましいといわれています。私は、そうしたことにも鑑み、本県における食品の収去検査の年間検体数は、1000の水準は維持していくべきだと考えています。

本県の収去検査の年間検体数は、平成29年度までは3000以上であったのが、令和6年度には1165と3分の1まで減少し、さらに令和7年度の収去検査は677まで減少する計画となっています。

そこでお尋ねです。先ず、本県の食品の収去検査は、どういう方針に基づいて計画しているのかお伺いいたします。次に、収去検査の年間検体数は、1000以上の水準は維持すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

→(答弁

 

 

令和7年6月定例県議会 専修学校への支援について

専修学校は、昭和51年に新しい学校制度として創設されたもので、学校教育法の中で専修学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的とする学校であるとされています。専修学校の設置には都道府県知事の認可が必要で、授業時数・教員数や施設・設備などが一定の基準を満たしていることが求められます。

本県では現在、看護・福祉・理美容・情報ビジネス等多方面に渡る私立の専修学校が33校あり3600名ほどの生徒がいまして、その96%は10代、20代の若者です。注目すべきは本県の場合、令和6年度にこの専修学校を卒業して就職した人たちの73%は県内に就職しているということです。同年度本県の大学卒業者の県内就職率は27%ですので、専修学校が、本県の産業と県民の生活を支える人材を育成しつつ、若者定着にも貢献しているということは、大いに評価されていいのではないでしょうか。

そうした専修学校への公的な支援がどうなっているかに関心を向けてわかってきたことは、運営費補助がなきに等しいという現状です。令和7年度の県予算ではどう措置されているかを見ますと、専門課程を設置する専修学校を専門学校と呼び、高等学校等卒業者を対象としていますが、この学校の場合、運営費補助は、生徒1人当たり年間792円です。それから、高等課程を設置する専修学校を高等専修学校と呼び、中学校卒業者を対象としていますが、この学校への運営費補助は、生徒1人当たり年間462円です。この高等専修学校であっても、卒業者に大学入学資格が付与される学校であれば、生徒1人当たり年間98000円の補助がありますが、本県でそれに該当する専修学校は、2校しかありません。大学入学資格の付与あるなしでの公的補助の格差が大きいことに愕然とします。

さらに、専修学校で学ぶ生徒を年代別に見ますと10代が最も多いので、同世代の高校生が通う私立学校に対する運営費補助と比べますと、本県の場合令和7年度は私立高校生徒1人当たりの運営費補助は、366500円でありますので、専修学校の生徒1人当たり年間462円若しくは792円の運営費補助は、先に申しましたように無きに等しいと言っても過言でありません。

専修学校で学ぶ生徒への修学支援事業は、授業料等の減免など、世帯の教育費負担の軽減が図られており、そのことは評価されていいとしても、学校への運営費補助が、大学入学資格付与のない多くの専修学校においてはほとんどなきに等しい現状は、先ほど申しましたように専修学校が県政において果たしている役割に鑑み、改められるべきだと考えます。

ご案内のように、私立の高校においては、令和8年度からは生徒の授業料は無償化される方向で負担軽減が図られる見通しであります。また、私立高校は学校経営に対して手厚い運営費補助があり、それは当然継続されることから、いわば、生徒の負担軽減と学校経営への運営費補助の両面から私立の高校は支えられ、学校存続が図られていると言えます。このことに関しては、現在私立高校の経営に携わっているものとして深く感謝しています。

ただ思いますことは、専修学校に対しても、生徒の負担軽減だけではなく、学校経営への運営費補助も含めた両面からの支援があっていいのではないかということであります。

今後、経営上行き詰まって閉校になる専修学校が生じて、そこで学ぶはずの若者たちが県外に流れるような事態は避けなければなりません。むしろ、専修学校への運営費補助を充実することにより、本県の専修学校のレベルアップを図り、県外の若者を呼び込むことに繋げていくことを期待したいと思います。

ついては、本県の専修学校への支援は、運営費補助の面においても充実強化が図られるべきだと考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。

→(答弁

 

 

令和7年6月定例県議会 県立美術館の役割と県美展について

本県の県立美術館の運営事業、就中山口県美術展覧会いわゆる県美展の在り方については、2つの点から、現状のままでいいのかその妥当性を検証し、見直す必要があるのではないかと思っています。その第一点は、優れた美術創作の才能を持った人材を見出し育てる観点からです。第二点は、広く県民の美的表現力の向上に資するという観点からです。

県美展は、山口県立美術館が開館した昭和54年には出品数が1730あったのが、令和6年度は296と6分の1に減少しています。県美展は従来、日本画・洋画・彫刻・工芸・デザイン等7部門制で公募し、審査を行っていましたが、平成6年から、その部門別公募を完全に廃止し、作者の出自も作品のジャンルも問わず全部門作品を一括して審査する方式に改められました。そのことがどう影響したのかわかりませんが、平成9年度頃からはおおむね県美展への出品数は400代で推移し、コロナの影響があった令和4年度には246まで減少しました。その後少し回復傾向にあり令和6年度は300近い出品数になっています。

出品数が多いかどうかが、県美展の評価を定めるものではないと思いますが、県立美術館による県美展である限り、多くの県民から出品があることが望ましいことは言うまでもありません。

そこで、私なりに県立美術館開館当時の県美展と比べて、現在出品数が大きく減少しているのは、どうしてだろうかと考えて至った思いがあります。

それは、今日の時代における先端的な美の表現を実現しているとみなされる作品が評価され、絵画・書道・陶芸等それぞれのジャンルにおいて時代を超えて追求されてきた理想型若しくは完成型と目される美の表現を志向する作品は評価されないのではないか、例えば日本画でいえば、東山魁夷の作品みたいなものは評価されないのではないか、また書道でいえば、書聖と称された王羲之(おうぎし)の書体に迫ろうとする書は評価されないのではないか、そういう県美展になっているのではないかということです。

第75回2022年の県美展において審査員を務められた千宗屋氏は、審査講評において「萩焼など工芸にもゆかりの深い土地柄、そのジャンルの出品が少ないことが意外で、今後より積極的な参加を期待したい。」と述べておられます。山口県を代表する芸術文化である萩焼、陶芸からの作品出品が少ないというのも、その作家の方々が、私と同様の見方を県美展に対してしているからではないでしょうか。

ジャンルをなくしての県美展審査は、今日の日本におけるある意味代表的な美術作家、美術批評家、美術館運営経験者等から3人を選任して、その審査員のよる公開審査として行われ、いろいろなしがらみなしに、表現されている美それ自体の価値を評価する審査方式ということで、そうしたやり方もありと思います。ただ問題は、3人の審査員がいかに優れた美に対する鑑識眼をもっているにせよ、すべての分野に通ずることは困難と思われることです。

私は、現在の県美展の審査方式は、それはそれで継続されていいと思いますが、併せて、それぞれのジャンルにおいて時代を超えて追求されてきた美の表現の方向性に沿った作品も評価される県美展にしていくことが必要と考えます。

数学者でありエッセイストでもある藤原正彦氏は、その著書「国家の品格」で、天才の出る風土の条件として、美が存在する土地であることを挙げています。山口県は、これまで歴史上多くの偉大な人材を輩出してきましたが、今後もそうであり続けるためには、県民の美意識が豊かになり高められていくことも大事と思われ、そのことにおいて県立美術館が果たす役割に期待するものです。

そこで、三点お尋ねいたします。第一点は、県立美術館が県政において果たす役割をどう考えておられるのかお伺いいたします。第二点は、県立美術館は、今後どういう方針のもとの運営事業を行っていくお考えなのかお伺いいたします。第三点は、県美展は、この質問の冒頭に申しましたように現在の在り方の妥当性を検証し、見直す必要があると考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。

→(答弁

 

 

答弁 明るい高齢社会に向けて(1)

1.介護人材の確保について

ア)介護人材育成への取組について【部長答弁】

介護人材の確保についての数点のお尋ねにお答えします。
まず、介護人材育成への取組についてです。

本県の介護分野においては、求人数に対して求職者数が下回っている状況であり、今後もその状況は続くと予想されることから、介護福祉士を含む介護人材の育成・確保は喫緊の課題となっています。

こうした中、県では、県福祉人材センターにおいて、ハローワーク等と連携した就業相談や職業紹介に加え、介護未経験者や他業種からの転職希望者を対象とした研修を実施するなど、実効性のある人材の育成・確保対策に取り組んでいます。

また、お示しのように、県内の介護福祉士養成施設等は減少傾向にありますが、介護福祉士の資格取得に向けては、介護施設等で働きながら受験資格を取得する実務経験ルートの割合が約9割と最も高くなっているところです。

こうした実態を踏まえ、将来的に必要とされる介護人材を質・量の両面から安定的に確保するため、県では、介護福祉士養成施設等の学生に加え、実務経験ルートで介護福祉士を目指す方を対象とした修学資金の貸付を行っています。

イ)福祉・介護の魅力発信について【部長答弁】

次に、福祉・介護の魅力発信についてです。

県では、若い世代を始めとした様々な方々に対し、福祉・介護職への興味・関心を高める動画を作成し、SNSを通じた訴求力の高い広報を展開しています。

さらに、福祉・介護職のやりがいや魅力を広く社会へ伝えるイベントの開催や、小学生親子が県内の介護施設を訪問し、福祉・介護の職場や仕事の魅力を知ってもらうバスツアー、中高生を対象とした職場体験、大学生向けのインターンシップなどの取組を進めています。

また、お示しのように、こうした取組を効果的に実施・継続する上では、事業の検証と評価が必要であることから、県が設置する魅力発信推進会議において、関係団体との情報共有や意見交換を行い、地域医療介護総合確保基金も活用しながら、事業内容の充実強化を図っているところです。

ウ)ノーリフティングケアの普及促進について【部長答弁】

次に、ノーリフティングケアの普及促進についてです。

介護人材を安定的に確保していくためには、介護現場における職員負担の軽減を図ることも重要であることから、県では、職場環境の改善等に取り組んでいるところです。

具体的には、介護ロボットの導入支援により、介護職員の身体的負担の軽減や業務の効率化など、働きやすい職場環境の整備を促進するとともに、「働きやすい介護職場」として認証している事業所の取組を広く紹介するフェアを開催し、ノーリフティングケアなどの好事例の横展開を促進しています。

引き続き、介護現場の職員の負担を軽減し生産性向上にも資するノーリフティングケアの導入を促進してまいります。

県としては、こうした取組により、介護人材の確保に努めてまいります。

【要望】

それから、ノーリフティングケアにつきましては、それを促進するというご答弁であったわけでありますが、このことをちょっと議会で取り上げるということを介護施設の関係者の方に伝えましたところ、私にメールが来ました。そこにこういう現場の声がありますので、それを紹介しておきたいと思います。

「ノーリフティングケアのことに関して、山口県としては、介護施設機械に対する補助金事業がありますが、これについては介護ロボットに主力を置いている印象を受けます。現在、移乗などの介護ロボットについては、見守りのためにスタッフを要したり、移乗の間、動作がゆっくりのため時間を要したりすることが多く、まだまだ介護の即戦力となる介護ロボットが登場しているとは確信できておりません。

現在、介護現場では、リフトや移動補助具といった機器だけでなく、例えばスライディングシートや移動用ベルトなどの介護用品も重要な役割を果たしております。これらの介護用品への補助も対象に含める視点をぜひ検討いただきたく存じます。」というメールをいただきました。

こういう現場の声も参考にしてノーリフティングケアの普及促進にも取り組んでいただきますよう要望いたします。

 

エ)外国人介護人材の確保・定着について【知事答弁】

合志議員の御質問のうち、私からは外国人介護人材の確保・定着についてのお尋ねにお答えします。

県内の生産年齢人口が減少する中、今後も介護ニーズの更なる増加が見込まれることから、安定的な介護人材の確保に向けては、外国人材も含めた多様な人材の参入促進が必要です。
このため、県では、外国人留学生の経済的負担の軽減に向け、介護福祉士修学資金の貸付けに加え、介護施設等が留学生に対して給付する日本語学校の学費や、介護福祉士養成施設等に在学時の居住費への助成を行っています。

さらに、県内の介護施設を対象に、外国人留学生を受け入れる準備や心構え等についての研修や、実際に外国人材を活用している事業所からの取組事例の紹介等を通じて、外国人留学生が山口県に愛着を持って、安心して仕事ができる職場環境づくりに努めているところです。

こうした取組に加え、昨年9月に、ベトナム・ビンズン省と締結した介護分野での協力に関する覚書に基づき、介護福祉士養成施設等で介護の技術を学び、県内の介護施設で働くことを希望するベトナムからの留学生の受入れ促進に取り組んでいます。

具体的には、今年6月に県内施設等を対象に留学生の受入れに関する事業説明会を開催したことに続き、10月にはビンズン省の全面的な協力のもと、留学希望者を対象とした現地説明会を開催し、本県の魅力や支援制度の内容についての説明を行ったところです。

今後は、留学希望者と施設とのマッチングや、来日手続き等に関する支援を通じて、ひとりでも多くの学生に本県へ留学していただき、外国人介護人材の確保・定着につながるよう努めてまいります。

その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。

 

 

 

答弁 明るい高齢社会に向けて(2)

2.訪問介護事業への支援について【部長答弁】

次に、訪問介護事業への支援についてのお尋ねにお答えします。

介護保険制度については、その給付と負担の在り方を含め、国の責任において十分な議論のもと、制度設計されるべきものと認識していることから、県では、将来にわたり安定した制度となるよう、これまでも国に要望してきたところです。

こうした中、訪問介護については、基本報酬が見直される一方で、処遇改善加算は高い加算率が設定されています。

県としては、事業所の管理者向けの研修や小規模事業所を中心にした専門的な相談員の派遣等を行い、訪問介護事業所の処遇改善加算の取得を促進しているところであり、こうした取組を通じて、訪問介護事業所が安定的に事業継続できるよう支援してまいります。

【要望】

質問の中でも指摘いたしましたけれども、処遇改善加算を取るためにはいろいろ要件を満たさなくてはならない。それからまた、申請報告の膨大な事務があるという。

そのことに対応しきれないような事業所もあるようでありますので、もっとそういうことが、ある意味、シンプルな制度になるように、あるいは何らかの形でそういうのをサポートするような県の取組をぜひ検討していただきたいと思います。

 

 

 

答弁 明るい高齢社会に向けて(3)

3.高齢者福祉特区への取組について【部長答弁】

次に、高齢者福祉特区への取組についてのお尋ねにお答えします。

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、現場の声を反映しながら施策を展開する必要があることから、県では、医療・介護の関係団体やサービス利用関係者、市町等からなる高齢者保健福祉推進会議を設置しているところです。

この会議においては、高齢者保健福祉施策の推進に向けて、それぞれの立場からの意見を聴きながら、運用面での課題解決など、幅広い議論を行っていますが、特区制度を活用して解決すべきまでの課題については、提言がないことから、現時点では検討に至っていません。

県としては、引き続き、関係団体や市町等と連携しながら、高齢者が安心して暮らし続けられる地域社会が実現できるよう、高齢者福祉施策の推進に取り組んでまいります。

 

 

 

 

令和6年11月定例県議会 明るい高齢社会に向けて(1)

 1. 介護人材の確保

(1)介護人材育成への取り組み

今年の3月に策定された「第8次やまぐち高齢者プラン」は、本県における介護職員の不足を、令和8年は2749人、令和22年は2816人と推計していまして、介護人材を育成供給する環境の整備強化が、喫緊の課題であることを明らかにしています。しかし、そのことに対応して介護人材を育成供給する環境の整備が進んでいるのかと申しますと、現状はそうではなく、その供給力はむしろ低下しているのではないかと見ています。

県下の高校で、介護福祉士の国家資格を取るために専攻科を設けていたのが、中村女子高校と周防大島高校ですが、中村女子高校は令和5年度から生徒募集を停止し、周防大島高校は来年度から生徒募集を停止されるようです。中村女子高校の福祉専攻科は、多い時は40人の新規入学があったのですが、それが10人前後となり、さらに一桁になるという状況に至り経営判断から募集停止となりました。また、介護人材の育成を含む福祉系の専門学校は、介護保険制度が始まった当時の平成12年には6校ありましたが、現在は半減して3校であります。

こうした介護人材を育成する教育施設の現況からして、今後将来に向けて本県が必要とする介護人材の確保は図られるのか、危惧しています。
ついては、将来的に必要とされる介護人材の確保に向けて、介護人材の育成にどう取り組むのか、ご所見をお伺いいたします。
(2) 福祉・介護の魅力発信

唯今、介護人材の確保に向けて介護人材の育成への取り組みを問いましたが、私なりに、介護人材の確保という課題解決に向けて、県ができることは何かということに関心を向けて介護現場の声を聞く努力を続けた結果、至った結論は、介護に関する広報・情報発信の充実強化に取り組むことであります。そのことを通して、県民意識の中において介護職に対するプラスイメージの醸成を図ることにより、介護職を選ぼうとする人たちのすそ野を広げることが、介護人材確保のベースとなると思われます。介護保険制度は、国が一元的に制度設計していますので、県がかかわれる余地が少ない中、広報・情報発信の面においては、効果的な寄与ができるのではないかとみている次第です。

このことに関しては、昨年9月の定例県議会において林議員の一般質問に答えて、「福祉・介護関係団体との意見交換の場を新たに設け、現場の声を反映しながら、介護職の専門性や仕事のやりがい・誇りを発信する動画の制作やイベントの開催など協働した広報を展開し、県民に向け、訴求力の高い情報発信を行う。」旨、村岡知事が表明されました。そして、その後「福祉・介護の魅力発信推進会議」が、介護・福祉団体の関係者、県の担当者、県社協の関係者等を構成メンバーとして開催されました。

私は、こうした取り組みを高く評価するものです。ただ、この福祉・介護の魅力発信の取り組みは、即効性があるものではなく、継続することによってその効果が顕在化してくるものと思われます。そして、そのためには、福祉・介護の魅力発信の取り組みが、PDCAサイクルにおける検証と評価を年々経ていくことを通してブラッシュアップされていくという形で継続されていくことが望まれます。また、そのための財源確保も必要です。

ついては、福祉・介護の魅力発信について、今後どう取り組まれていくのかご所見をお伺いいたします。
(3) ノーリフティングケアの普及促進

介護職が、選ばれる職種になって人材確保が図られていくためには、身体の健康が保持される仕事にしていく取り組みが必要です。このことから注目されているのが、ノーリフティングケアであります。持ち上げ、抱え上げ、引きずりなどのケアをなくし、リフト等の福祉用具を積極的に使用するとともに、職員の身体に負担のかかる作業を見直すもので、介護の職場へのノーリフティングケアの導入は、腰痛の減少のみならず、介護の質の向上や業務改善などの効果が見られることから、その導入が広がりつつあります。

ノーリフティングケアは、かつてオーストラリアで看護師の身体疲労による腰痛訴え率が上がり、離職者が増えて深刻な看護師不足に陥ったことから、オーストラリア看護連盟が腰痛予防対策として1998年にノーリフトをスタートさせたことに端を発しています。

2012年に日本ノーリフト協会が行った調査によれば、日本における介護職の腰痛率は、実に72%です。介護の現場では、人手不足のなか働く人の高齢化も進んでいまして、ノーリフティングケアの速やかな導入普及が求められています。

ついては、ノーリフティングケアの普及促進を、県の介護人材確保に向けた施策の柱の一つに位置付けて推進すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
(4) 外国人介護人材の確保・定着

国は、外国人材受け入れ環境整備を、介護人材確保対策の重要な柱の一つに位置付けています。

ご案内のように、外国人労働者の在留資格として、「特定技能」と「技能実習」があります。「特定技能」は、労働力として即戦力になることが求められ、就労する分野の知識が一定以上あることが必要です。「技能実習」は、日本で技術を習得して母国に持ち帰ることが目的となっていますが、働きつつ学ぶということで実質労働力になっている面もあります。入国前に特定の技能を習得しておく必要はありませんが、介護職種の場合は日本語能力検定N4レベルであることが求められます。ただ、この帰国を前提とする技能実習制度は廃止して、特定技能への移行を前提とする「育成就労」制度を新設する関連法の法改正が、今年の6月、国会で可決成立いたしました。この法改正により、外国人人材の主力は特定技能外国人となっていくことが予想されます。

出入国在留管理局が発表した令和6年6月末時点での速報値では、この特定技能外国人は、全国で25万1747人、山口県は2253人です。そのうち介護職の人数は、全国で3万6719人、山口県は425人で、本県の介護の分野においても特定技能外国人が、事業を支える大事なメンバーになってきていることが窺えます。そして、その需要は、今後ますます増大していくことと思われることから、外国人介護人材の確保・定着を図る施策の推進が望まれます。昨年9月、本県がベトナムのビンズン省と介護分野における協力の覚書を交わしたことは、そうした施策の一環として評価するものです。

高齢者介護施設の関係者の間でも、外国人介護人材の県外流出を防ぎ、いかにして県内定住を実現していくかが、課題となっており、外国人材受け入れの事業所への支援と併せ、外国人人材が、山口へ帰属意識や愛着を持つことにつながるような施策への期待があります。

そこでお尋ねです。県は今後、外国人介護人材の確保・定着にどう取り組んでいくお考えなのか、ご所見をお伺いいたします。

 

→(答弁

 

 

令和6年11月定例県議会 明るい高齢社会に向けて(2)

 2. 訪問介護事業への支援

訪問介護サービスを提供する事業所は、2024年度介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が2%程度引き下げられたことにより、その多くが事業の継続に苦慮する事態となっています。

私は、訪問介護事業所を経営している方から、直接話を聞きましたが、訪問介護の事業を継続していくためにはヘルパーさんを確保しておかねばならず、そのためには年々少しずつでも賃金のアップを図らねばならない。しかし、訪問介護の報酬アップは、あってもわずかでそれに見合わず、2024年の改定による報酬ダウンの影響は大きく、訪問介護事業の継続は、経営上非常に厳しい状況になっている。会社としては、デイサービスの事業や介護以外の事業もやっているのでどうにか経営存続はできているが、訪問介護事業だけのところは、事業継続が難しくなるのではないかとのことでした。

国は、訪問介護については、処遇改善加算について、2024年の改定で高い加算率としたことで、基本報酬の引き下げを補おうとしているように思われますが、処遇改善加算は、様々な要件を満たす取り組みが求められ、申請と報告の事務が大変なようで、小規模の訪問介護事業所は、対応しきれないという悲鳴に近い声を聴いています。

本県の介護サービスの受給者数は、今年の6月は7万7375人ですが、そのうちの1万682人が訪問介護サービスの受給者です。実に、1万人を超す人たちが毎月訪問介護サービスを受けているわけでして、このサービスは、現在本県では369事業所によって提供されています。

こうした事業所の廃業が、全国的に相継いでいます。厚生労働省は、訪問介護の事業所について、今年6月の廃業数が前年同月比で1割程度増えたとの調査結果を、9月に明らかにしています。そして、その上で同省は、こうした状況を踏まえ、2024年の介護報酬改定全体の影響を調べ、訪問介護事業所の廃業などの経営状況や職員の処遇改善についても分析し、来年3月ごろに結果を公表する予定のようです。

高齢者になり身体機能が低下しても、また病気になっても、「家で暮らしたい。」「家で人生を全うしたい。」と願う人は多いことと思われます。そういう人たちの生活、またその家族を支える訪問介護サービスの提供体制を、必要十分なものとして整備し維持していくことは、県政が担うべき大事な責務であります。

そこでお尋ねいたします。訪問介護事業者が、安定的に事業継続できるよう国に必要な施策の実施を要望するとともに、県としても為しうる支援を行うべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 

→(答弁