令和元年9月定例県議会【3.山口県総合交通計画の策定について】

「3.山口県総合交通計画の策定について」

全県的な交通ネットワークの形成に、県は主導的役割を果たすべきである。また、本県の地方創生に向けた第2期総合戦略は、しっかりした交通政策を伴ったものにすべきである旨、申し上げましたが、そのためには、将来の実現を目指して取り組む全県的な交通ビジョンが必要です。しかも、そのビジョンは、県と市町が、共同して創り上げ、共有し、共にその実現を目指すものでなければなりません。そういう意味での、山口県総合交通計画の策定に取り組むことを提案したいと思います。
この計画は、国が都道府県に対して求めているものではありません。先に述べましたように、国は市町に対しては、地域公共交通網形成計画や立地適正化計画などの策定を求めていますが、都道府県に対しては、そうした定めはありません。しかし、交通はネットワークとして機能するものであり、全体最適が図られるべきことに留意すれば、先ず、県全体の大綱的な交通計画があって、それと整合する形で各市町の個別的交通計画が作成されるというのが、望ましいのではないでしょうか。
また、本県は、中小都市が県土に分散していることも、全県的な交通計画が求められる所以であります。このことを山口県の特性の一つとして、以前は分散型の都市構造と言っていましたが、現在は分散型の県域構造という表現に変わっているようです。分散型の県域構造と言うのは、事実に即した表現なのでしょうが、交通政策の企画検討は、山口県全体を一つの分散型の都市構造と見なして行う方が、より実効性のある施策の実現につながるように思われます。  都市計画と公共交通の一体化を図る立地適正化計画が目指す都市像は、多極ネットワーク型コンパクトシティですが、中小都市が分散する本県は、正しく多極分散型の県でして、それを一つの都市構造と見なして多極ネットワーク型コンパクトシティとしての山口県を実現する交通計画が構想されていいと考える次第です。
昭和62年に策定された「第4次県勢振興の長期展望」は、県内各地域がおおむね1時間で交流可能となるように「県土1時間構想」を打ち出しました。この構想は、その後の道路行政の指針となり、高速道路等の整備が推進されました。これを主導したのは、当時の平井知事でしたが、私は評価されていい施策であったと思っています。そして、今日の時代、本県において構想されるべきは、公共交通を軸とした全県的交通ネットワークの形成ではないでしょうか。私は、村岡知事には、是非そのことに取り組んでほしいと思っています。
そこでお尋ねです。私は、村岡知事が、本県独自の山口県地方創生骨太方針として山口県総合交通計画の策定に取り組まれることを期待するものですが、このことにつきご所見をお伺いいたします。