デジタル改革の推進について
1.デジタル化の基本認識について【知事答弁】
合志議員の御質問のうち、私からは、デジタル化の基本認識についてのお尋ねにお答えします。
もとよりデジタル化は、それ自体が目的ではなく、目的を達成するための手段の一つですが、私は、デジタル技術の効果的な活用によって、今までにはない手法で地域課題を解決し、新たな価値を生み出し、県民の暮らしや社会経済活動を飛躍的に向上させることができるものと考えています。
これを具現化していくことが、まさにデジタル化の目的であり、県民誰もが希望するサービスやライフスタイルを自由に選択でき、これまで以上の豊かさと幸せを実感できる社会、その実現を目指して、「やまぐちデジタル改革」を推進しているところです。
解決すべき課題や創造したい価値は、既に「やまぐち維新プラン」や「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げているとおり、県政のあらゆる分野に数多く存在します。
それらに対し、どのようにデジタル技術を活用していくのか、その方策を見いだし、確かな成果に結びつけていくことは、幾度もの試行錯誤を伴う難しい挑戦になろうと思います。
しかし、私は、コロナ禍から生じた社会変革の中で、時代が大きく変わろうとしている今だからこそ、県政各分野にわたって、失敗を恐れることなく、この挑戦を重ね、活力に満ちた山口県の未来を切り拓いていかなければならないと考えています。
そうしたデジタル改革の取組を強力に、そしてスピード感を持って進めていくため、今年1月、全庁組織である「デジタル改革推進本部」を立ち上げるとともに、4月には、お示しの「デジタル推進局」を新たに設置いたしました。
また、改革の推進に当たっては、市町はもとより、企業や関係団体、大学など、多様な主体と連携・協働し、それぞれが持つ知見やノウハウ等を結集していく必要があります。
さらに、様々な環境にある全ての県民の皆様に、デジタル化の意義と効用を分かりやすく伝え、これを実感してもらい、デジタル社会に主体的に参加していただけるよう取り組んでいかなければなりません。
そのためには、本県が目指すべきデジタル社会のビジョンや将来像を共有することが重要であり、今年3月に策定した改革の基本方針において、その具体的なイメージを示すとともに、様々な主体が改革に参加するための体制整備や仕組みづくりを進めているところです。
私は、この体制等の下、県民の皆様があまねくデジタル化の恩恵を享受し、これまでよりも豊かで安心・安全に暮らすことができる山口県の未来を目指して、引き続き、全県を挙げた「やまぐちデジタル改革」を推進してまいります。
その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。
デジタル改革の推進について
2.デジタル化と地域課題の解決について【部長答弁】
まず、デジタル化と地域課題の解決についての2点のお尋ねにまとめてお答えします。
本県では、人口減少や少子高齢化等を背景に、県政の各分野で様々な地域課題に直面しています。
具体的には、産業分野においては企業の生産性向上や人手不足対策、交流分野では二次交通の確保や移住・定住の促進、そして、生活分野では地域医療の確保や結婚・子育て支援の充実などであり、これらの課題解決にデジタル技術を活用したいと考えています。
お尋ねの「デジタル化がもたらす地域課題の解決」とは、デジタル改革の基本方針策定に当たり、急速に進展しているデジタル技術を活かし、今までにはない手法で地域課題の解決を目指す、そうした県の決意を「目指すべきデジタル社会のビジョン」に掲げたものであります。
既にその幾つかは取組が進んでいるところであり、例えば、産業分野では、中小製造業の生産性向上や労働者不足の解消を図るため、AIの予測技術とセンサーを活用した工作機械の異常検知・予知保全システムの構築など、スマートファクトリーモデルの創出に向けた実証実験が行われています。
交流分野では、AIにより運行ルートの最適化を図るアプリを使った移動サービスの提供やタクシーツアーの運行など、新たなモビリティサービスの実証事業を進めています。
また、生活分野では、県立総合医療センターと中山間地域の病院を5Gでつないだ遠隔診断支援の実証に取り組んでいるほか、やまぐち結婚応縁センターにおいては、AIによる新たなマッチングシステムの運用を開始したところです。
県としては、今後も試行錯誤を重ねながら、こうしたデジタル技術の活用による新たなソリューションの創出と、その社会実装に取り組み、県政が抱える様々な地域課題の解決を図ってまいります。
デジタル改革の推進について
3.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について【部長答弁】
次に、DX、デジタル・トランスフォーメーションの推進に関する2点のお尋ねにまとめてお答えします。
お示しのように、新型コロナウイルスへの対応において、特に行政分野でのデジタル化の遅れが浮き彫りとなり、これに迅速に対処するとともに、住民の利便性向上や業務の効率化につなげていくことが求められています。
このことを踏まえ、国においては、新たに設置されたデジタル庁を中心に、徹底した利用者目線により、国・地方を挙げた行政のデジタル化を推進するとされているところです。
このうち、地方自治体のDXに向けては、昨年12月に国が策定した「自治体DX推進計画」の中で、組織体制の整備や具体的な取組事項、スケジュール等が示されています。
本県としても、これに即応し、デジタル化を梃子とした行政の構造改革に取り組むとともに、市町と一体となって、県全体の行政のデジタル化、「デジタル・ガバメントやまぐち」の構築を進めていくこととしています。
このため、今年1月には、県と全市町で構成する連携会議を設置し、特に、国の計画で重点取組事項とされた情報システムの標準化・共通化、行政手続のオンライン化及びAI・RPAの利用促進については、ワーキンググループも設けて検討を進め、順次実行に移しているところです。
このようなことから、現時点において、本県独自の課題設定や工程表の作成は予定しておりませんけれども、今後も国が示した目標年度等をにらみ、適切な進行管理に努めながら、業務全体のあり方やプロセスの見直しも含めた行政のデジタル・トランスフォーメーションを計画的に推進してまいります。
デジタル改革の推進について
4.デジタル人材の育成と確保について
(ア)産学官の連携について【部長答弁】
次に、デジタル人材の育成と確保に関する御質問のうち、産学官の連携についてのお尋ねにお答えします。
AIやデータ活用等に関するデジタル技術を有し、それを使いこなすことのできるデジタル人材は、全国的に不足しており、本県においても、行政分野だけでなく、産業界、特に中小企業から人材を求める声をお聞きしています。
一方、大学をはじめとする教育機関においては、これからのデジタル社会のニーズに応える人材教育の充実が強く求められています。
こうした状況を踏まえ、県では、産学官で課題意識を共有し、連携を図りながら、デジタル人材の育成・確保に向けた取組を進めているところです。
具体的には、県と山口大学が連携し、県内企業の技術力・研究開発力の強化に向けたデータサイエンスの専門講座を開催しているほか、教育委員会においても、高校生を対象としたデータサイエンティスト育成講座を実施しています。
また、来月下旬には、高校生・大学生等が企業の若手社員と協働し、先端のデジタル技術を活かしながら、地域課題の解決に向けたソリューションの創造等に取り組むアイデアソン・ハッカソンの開催も予定をしております。
この他、企業や学生、行政職員等が参加する官民協働フォーラム「デジテック for YAMAGUCHI」でも、AI人材育成プログラムの提供を行うなど、産学官の連携による様々な人材育成の取組を展開しているところです。
人材確保の面では、プロフェッショナル人材育成拠点を活用した中小企業とデジタル人材のマッチング支援などに取り組んでおり、県としては、今後も、こうした産学官の連携を一層進め、本県のデジタル社会を創り支えるデジタル人材の育成と確保に積極的に取り組んでまいります。
デジタル改革の推進について
4.デジタル人材の育成と確保について
(イ)県庁におけるデジタル人材の育成と確保について【部長答弁】
デジタル人材の育成と確保に関するお尋ねのうち、県庁におけるデジタル人材の育成と確保についてお答えします。
県政の様々な分野でのDXを推進していくためには、専門的知識を有する人材の育成・確保が不可欠であると考えています。
このため、県議会でのご議論や本年3月に策定した「やまぐちデジタル改革基本方針」も踏まえ、研修会の開催やICT関連企業等への職員派遣、専門職員の採用等に取り組むこととしています。
具体的には、まず、研修については、従来のセキュリティやネットワーク研修に加え、全職員を対象に、最新のデジタル技術の効果的な活用方法等に関するセミナーを、今年2月から定期的に実施し、自治体DXに向けた職員全体の情報リテラシー向上を目指しています。
また、今年度から、国のデジタル政策や他県の先進事例を幅広く学ぶため、デジタル庁に職員を派遣するとともに、行政では習得困難な専門的知識や経験等が得られるよう、ヤフー株式会社にも職員を派遣するなど、外部の知見に触れる多様な機会を確保し、職員の資質向上に努めています。
さらに、民間企業等のデジタル関連部門での実務経験を有する者を対象に、情報職採用選考試験を新たに実施し、今年度7名を採用したほか、4月の人事異動に際して庁内公募を実施し、専門的知識と意欲のある職員4名をデジタル推進局等に配置するなど、体制強化を図っています。
行政のデジタル化が加速する中、県としては、今後の更なる自治体DXの推進に向け、引き続き、様々な手法により、専門的知識を有する人材の育成・確保に努めてまいります。
デジタル改革の推進について
4.デジタル人材の育成と確保について
(ウ)デジタル化を担う企業の育成支援について【部長答弁】
デジタル人材の育成と確保に関する御質問のうち、デジタル化を担う企業の育成支援についてのお尋ねにお答えします。
デジタル化の推進は、中小企業における生産性向上や、新たなビジネス展開を進めていく上での原動力となることから、本県経済の持続的な発展に向けて、デジタル化を担う企業の育成や集積を図ることが重要です。
このため、県では、中小企業のDX化の支援や、デジタル関連企業の誘致を進めるとともに、デジタル化を担う県内企業の受注機会が確保されるよう取り組んでまいります。
まず、中小企業のDX化の支援では、今年度から、中小企業のデジタル技術を活用した、生産性向上などの業務改革を重点的に支援することとしています。
具体的には、クラウドサービス導入への助成等によるDX基盤の整備をはじめ、ITコンサルの伴走支援によるDX戦略の策定やビジネス変革に資するシステム構築への支援のほか、「DX対応支援資金」による金融支援も行っています。
また、デジタル化を図る上で重要なIT関連企業やサテライトオフィスの誘致を進めており、誘致企業と県内中小企業とのマッチングにより、ニーズの発掘やスキルアップが図られるなど、双方の成長に繋がるよう取り組んでまいります。
さらに、県内企業の受注機会の確保に向けては、県や市町が発注する委託事業等について、県内中小企業の受注機会の拡大に向けた協力依頼を行うとともに、県自らの発注に際しても、県内企業の参画に配慮した取組を進めています。
具体的には、県内のベンチャー企業が有する3D映像技術を活用し、コロナ禍で移動が難しい学生がバーチャル映像で県内企業を見学できるサイトを構築するなどの事業を実施しています。
県としては、こうした中小企業のDX化支援やIT関連企業の誘致、県内企業のデジタル技術を活用した事業実施などを通じて、本県のデジタル化を担う企業の育成・集積に積極的に取り組んでまいります。
デジタル改革の推進について
5.光ファイバ網の整備について【部長答弁】
次に、光ファイバ網の整備についてです。
デジタル社会を構築するためには、誰もが希望する場所で安定的にデジタルを利用できるよう、光ファイバ網等の整備による情報通信基盤の充実が必要であると考えています。
このため、県では、特に条件不利地域における光ファイバ網の整備促進に向け、地元市町による直接整備を重ねて働きかけるとともに、通信事業者に対し、国の補助事業の活用等による整備エリアの拡大を積極的に要請してまいりました。
こうした取組により、県内の整備は着実に進んできたところでありますが、離島をはじめとする中山間地域の一部では、無線によるブロードバンド環境はあるものの、光ファイバ網等の高度な情報通信基盤の整備が遅れている状況にあります。
これらの地域は、工事に係る条件や将来の維持管理費用など、置かれている環境がそれぞれに異なっており、整備に当たっては、その違いに応じて個別の調整が必要となるほか、通信事業者に対しては、企業情報の保護にも配慮を要します。
このようなことから、お示しの協議会の設置までは考えておりませんが、県としては、今後も個々の地域ごとに、市町や通信事業者と十分な調整を行い、整備スケジュールも設定しながら、県内全域での整備が早期に図られるよう取り組んでまいります。
また、関係者との調整に際しては、採算面が最大の課題となっていることから、引き続き、全国知事会等を通じて、国に対し、支援制度の継続・拡充や光ファイバ網のユニバーサルサービス化を強く求めてまいります。
1.全国学力・学習状況調査の実施について
先般5月27日、2年ぶりに全国学力・学習状況調査、所謂全国学力テストが実施されました。昨年度は新型コロナ感染に対する緊急措置として臨時休業が行われ中止となりましたが、例年は4月末頃に実施されてきました。国による誤答分析等の採点結果は7月末頃各学校に届くようですが、山口県では、この全国テストを実施した際に、全児童生徒の答案をコピーし、各学校で採点し、その結果を県教委に報告するようになっています。
この作業は、各学校で採点した結果を県教委が集約して各学校に6月末頃に返し、その後の授業改善に生かすことを目的にしていると聞いています。しかし、学校現場からは各学校で採点しても、国から誤答分析等の採点結果が7月末頃に戻ってくることやその結果と各学校での採点結果とに違いがあること、そもそも答案のコピーに膨大な時間と費用を要することや採点する際の正誤の判断が難しく通常のテストの倍以上の時間を要すること等から各学校でのコピー、採点、県教委への報告などの業務は、本当に必要なのか疑問視する声が多いと伺っています。
ある学校では、この全国学力テストの回答を全てコピーすることで多くの費用がかかり、実際に授業で使いたいプリント等を、学校費の予算枠では印刷出来なくなった。また、ある学校では、生徒数が多くコピーに時間がかかるため、コピーをする先生はその間他の仕事が一切出来なくなってしまったとなどいう事案が発生しているとのことです。
全国学力テストの答案のコピー、採点、報告は、先生方の授業力向上をねらってのことと思われますが、県教委から届いた結果より、1ヶ月遅れだが国から戻ってきた結果の方が、誤答分析がされており研修に役立つと話す現場の先生方も多いようです。また、先生方がこの全国テストの結果をもとにした授業改善に関する研修を行うのは夏休みになることが多く、7月末頃届く国の分析結果が活用できるので、あえて県独自の学力テスト分析を急ぐ必要はないとの指摘もあります。そうしたことから、先生方からは、現在行っている、各学校での答案のコピー、採点、県教委への報告に関する業務は必要ないという声が聞かれる次第です。
学校における働き方改革の推進は、今日の教育行政における大きな課題ですが、このことに関して中央教育審議会は平成31年1月25日に答申を行っています。これを見ますと、「学校及び教師が担う業務の明確化・適正化」に触れ、これまで学校・教師が担ってきた代表的な業務を、1.基本的には学校以外が担うべき業務、2.学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務、3.教師の業務だが、負担軽減が可能な業務の三つに分類し、その3.教師の業務だが、負担軽減が可能な業務の一つに学習評価や成績処理を挙げています。
文部科学省はこの答申を受けて、平成31年3月18日付で各都道府県知事、各都道府県教育委員会教育長等宛に事務次官名で「学校における働き方改革に関する取り組みの徹底について」ということで通知を発出していまして、「学校及び教師が担う業務の明確化・適正化」に関しては、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」について「必要性が低下し、慣習的に行われている業務は、業務の優先順位をつける中で思い切って廃止していくこと。」を促しています。
そこでお尋ねです。先ず、全国学力テストの自校採点とその採点結果の報告を県教委に行うよう学校に求めている都道府県は、本県以外にどの程度あるのかお伺いいたします。
次に、学力テストの自校採点とその結果の県教委への報告の必要性についてであります。これらの作業は、教師の業務だが、負担軽減が可能な業務の一つとされている学習評価や成績処理に相当すると考えられ、思い切って廃止することが望ましいのか、本県も検討すべき時期に来ていると思われます。今後も、これら作業を続けるとすれば、その必要性についての明確な説明が求められます。そこでお尋ねです。全国学力テストの、自校採点及びその結果の県教委報告の作業は、学校の働き方改革における教師の負担軽減の一環として廃止することも検討するのか、続けるとすればその必要性についてどう考えているのかお伺いいたします。
次に、学力テストの答案のコピーについてであります。私は、学力テストの自校採点については、教師が服務すべき業務としては、廃止が検討されていいと考えますが、教師が、自発的な任意で行うことを排除すべきとは考えていません。児童生徒の答案を採点することで、児童生徒たちの誤答傾向が分かり、そのことが学習指導に役立つ利点もあると思われるからです。その自校採点のためには、答案のコピーが必要です。
そこで、学力テストにおける答案のコピーについては、その費用は、予算措置を行うこと、また、コピーの作業効率を上げるため高性能コピー機の導入を進めていく等の対応が求められますが、こうしたことにつきご所見をお伺いいたします。
→(副教育長答弁)
2.統合型校務支援システムについて
学校の働き方改革と教育におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進という2つの面からその実施が求められているのが統合型校務支援システムの整備であります。
統合型校務支援システムとは、「教務系(成績処理・出欠管理・時数管理等)、保健系(健康診断票・保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などの業務を統合した機能を有しているシステム」を指し、成績処理だけでなく、広く校務と呼ばれる業務全般を実施するために必要となる機能を実装したシステムです。
文部科学省は、2018年から2022年までの5か年を計画期間とする「教育のICT化に向けた環境整備計画」を策定し推進していますが、この計画で目標とされている整備水準の一つが、統合型校務支援システムの100%整備であります。ついては、本県における統合型校務支援システムの整備に関し数点お伺いいたします。
第一点は、現時点の整備状況についてであります。「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」は、今年と明年の2年を残すのみとなりましたが、本県における現時点の統合型校務支援システムの整備状況はどうなのか。また、計画期間の最終年度である2022年までに計画の整備目標水準である100%整備は達成できる見通しなのかお伺いいたします。
第二点は、整備の具体的な内容についてであります。先程述べたことですが、統合型校務支援システムは、教務系・保健系・学籍系・学校事務系など広く「校務」と呼ばれる業務全般を統合した機能を有しているシステムであります。ついては、本県における統合型校務支援システムは、そういうシステムとして整備されているのかお伺いいたします。
第三点は、どういう学校種を包含したシステムにするのかについてであります。文部科学省が作成した「統合型校務支援システムの導入のための手引き」を見ますと、統合型校務支援システムの整備の促進を図るための有効な方法の一つとして、「都道府県と域内の市区町村との連携により、都道府県単位での統合型校務支援システムの共同調達・運用に向けた取組を進めることが重要である。」との方針が示されています。
令和3年度県教育委員会の当初予算概要を見ますと、「ICTを活用した先進的教育推進事業」ということで、「統合型校務支援システムの早期整備」が明記され、「高等学校は、統合型校務支援システムを全校に前倒し導入。小中・特別支援学校は、統合型校務支援システムの導入に向けた検討・支援」との説明がありますが、果たしてそのような方針で統合型校務支援システムの整備を進めていっていいのでしょうか。
ご案内のように、今日進められているデジタル化は、個々別々に個別最適を実現するデジタル化ではなく、個別最適と全体最適を同時に実現していく構造的なデジタル化であり、デジタルトランフォーメーションとは、まさしくそのことを意味していると考えます。
そこで、お尋ねです。統合型校務支援システムは、県教育委員会がリーダーシップを発揮して、県立の高等学校等のみならず市町立の小学校・中学校も包含する全県統一の校務支援システムとして整備を図っていくのが望ましいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
→(教育長答弁)
3.学校給食費の公会計化について
文部科学省が、平成28年度に都道府県を対象に完全給食を実施している公立小学校・中学校572校を抽出して行った「学校給食費の徴収状況に関する調査」では、学校給食費の徴収・管理業務を主に学校が行い、未納の保護者への督促を行っている者は、学級担任46.0%、副校長・教頭41%であるなど、教員の業務負担になっている様子が窺えます。
実際、学校給食費等の学校徴収金滞納者への徴収業務は、教職員に大きな精神的負荷となっているようです。滞納者に対して支払いをお願いし、当該滞納者から「金を払ってやるから、明日の12時に取りに来い。」と一方的な連絡があり、指示された時刻に校長、学校事務職員が家庭訪問をすると留守になっているということが続き、結局支払いはなかったといった事例も聞いています。
また、給食費の未納があった場合は、先生のポケットマネーやPTA会費で穴埋めするか、未納額分減額した食材費での給食にするしかないということで苦慮する学校もあるとのことです。
こうしたことへの対応に、先生方が多くの時間を費やし、精神的に消耗していくような事態は、早く解消していかなければなりません。そのために、現在推進されているのが、学校給食費の公会計化であります。学校給食費を、市や町の会計に組み入れる公会計化がなされていれば、保護者からの学校給食費の徴収・管理業務は、学校ではなく市や町が自らの業務として行うことになり、教員の業務負担の軽減になります。また、給食費の未納があったとしても、給食に必要な食材費等の費用は、公的に確保されます。
中央教育審議会が、平成31年1月25日に「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」答申し、学校給食費や教材費、修学旅行費等の学校徴収金に係る未納金の督促等も含めたその徴収・管理については、基本的には学校・教師の本来的な業務ではなく「学校以外が担うべき業務」であり、地方公共団体が担っていくべきであるとし、特に学校給食費については公会計化及び地方公共団体による徴収を基本とすべきであるとしました。これは、学校現場の実情を踏まえた妥当かつ当然の提言と思われます。
文部科学省は、この答申を受けて令和元年7月に都道府県の知事及び教育長等に「学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進について」の通知を発出し、本県はその通知を踏まえて同年8月に県下の各市町の長及び教育長に対し、「学校給食費の公会計化の取組の推進、さらには学校給食費以外の学校徴収金についても、徴収・管理を地方公共団体の業務とすること等、学校の負担軽減を図る取組の推進」について、適切な対応をお願いしています。
そこでお尋ねです。先ず、本県の小中学校における学校給食費の公会計化の進捗状況をお伺いいたします。
次に、学校給食費の公会計化における県のリーダーシップについてであります。全国の都道府県のなかで群馬県は、平成29年度に県内35市町村全てにおいて学校給食費の公会計化を達成しています。文部科学省が作成した「学校給食費の公会計化等に関する先行事例」に群馬県の取組みが紹介されていますが、それを見ますと、県が中心となりリーダーシップをとり、予算面での支援は特段行わなかったものの、県内の市町村を直接何度も訪問し、学校給食費の公会計化を訴え推進したことが記されています。
そこでお尋ねです。学校給食費の公会計化を行うのは市町ですが、本県も群馬県のように、県がリーダーシップをとり県内全ての市町における学校給食費の公会計化を、速やかに実現すべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。
更に、関連してお尋ねです。令和元年8月に県内の各市町の長及び教育長宛ての「学校給食費等の公会計化」に関する通知は、山口県教育委員会教育長名でなされていますが、私は、改めて知事と教育長連名の通知を発出し、知事部局と県教委が相携えて学校給食費の公会計化を推進していく必要があるのではないかと思っています。ついては、このことにつき併せご所見をお伺いいたします。
次に、本県の学校における働き方改革の推進において、学校給食費の公会計化の位置づけはどうなっているのか、お伺いいたします。現在は案の段階で来月7月に策定予定の「山口県 学校における働き方改革加速化プラン」をみますと、学校給食費の公会計化の明記がありません。私は、このプランの柱の一つである「業務の見直し・効率化」のところに、統合型校務支援システムの導入と運用等と併せ、学校給食費の公会計化も明記すべきと考えますが、このことにつきご所見をお伺いいたします。
→(教育長答弁)